“納”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
29.9%
おさ21.0%
しま15.9%
をさ14.4%
おさま8.1%
おさめ2.6%
をさま2.6%
をさめ1.1%
おさむ1.1%
いれ0.7%
なふ0.7%
あつ0.4%
しも0.4%
0.4%
0.4%
ヲサ0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だから私は、自分の家で四方の雨戸を開け放って、真っ暗な中に蚊帳を吊ってころがっているのが涼をれる最上の法だと心得ている。
陰翳礼讃 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
うちとき齋藤さいとうむすめ嫁入よめいつては原田はらだ奧方おくがたではないか、いさむさんのやうにしていへうちおさめてさへけばなん子細しさい
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
倫敦ロンドンの大学の地下室で実験をしていた頃、三寸か五寸位の針金の切端までちゃんと木箱に入れてしまっておいて、針金が欲しい時には
米粒の中の仏様 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
蒙るいはれなしと一向に受をさめねば忠八は止事を得ず其意に隨ひ彼の印籠を請取うけとつかたちを改め是に就て尋ね申度事たきことあり右夫婦の者は此家を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
人形の手足をいでおいたのにきわまって、蝶吉の血相の容易でなく、尋常ただではおさまりそうもない光景を見て、居合すはおそれと、立際たちぎわ悪体口にくていぐち
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
手ばしこく針を動かしているお島の傍へ来て、せわしいなかを出来上りのおさめものを取りに来た小野田はこくりこくりと居睡をしていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「飛んでもない、お吉さんは何んにも知つちやゐません。それより吟味與力のお家から、繩付を出して其をさまりが何うなると思ひます」
さかづきをさめるなり汽車きしやつていへ夫婦ふうふ身体からだは、人間にんげんだかてふだか区別くべつかない。遥々はる/″\た、とはれてはなんとももつきまりわるい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
本朝世事談綺ほんちょうせじだんぎ』に「合羽かっぱは中古のもの也、上古は蓑を用ゆ、軍用にはなお蓑也、今蓑箱といふあり、蓑をおさむる具也」。
蓑のこと (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
思想の発達せぬなま若い者の感情、追付おっつけ変って来るには相違ないと殿様の仰せ、行末は似つかわしい御縁を求めていずれかの貴族の若公わかぎみいれらるゝ御積り
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
其の頃から畫が上手で、美濃紙へ一杯に大きく描いて呉れた野崎の道行の繪は、今でも鏡臺の抽斗の一番下になふしてある。
兵隊の宿 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
らすべしとのたまひしかど元來もとよりおとせしは粗忽そこつなりかれしも道理どうり破損そこねしとてうらみもあらずましてやかはりをとののぞみもなしれは亡母なきはゝ紀念かたみのなれば他人ひとたてまつるべきものならずとてひろあつめてふところにせしを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
又盗すまれてはと、箪笥にしもうて錠を卸ろすや、今度は提革包さげかばんの始末。これは妻の寝静まった後ならではと一先ひとまず素知らぬ顔で床に入った。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
柳「これは少いが、内儀さんを貰うにはもうちっと広いうちへ引越さなけりゃアいけないから、ってお置きなさい、内儀さんが決ったなら、又要るだけ上げますから」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
先祖の村々で、予め考へる事の出来る時間があるとしたら、作事サクジはじめの初春かられに到る一年の間であつた。
若水の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
恐らくは、謡ひヲサめの末歌ではなからうか。