“嫁入”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
よめいり48.0%
よめい40.0%
いつ2.0%
かたづ2.0%
きて2.0%
むかさ2.0%
よめ2.0%
よめいら2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
沛然はいぜんとして金銀の色に落ちて来た、と同時に例の嫁入よめいり行列の影は何町なんちょうったか、姿は一団の霧に隠れてらにすかすも見えない。
菜の花物語 (新字新仮名) / 児玉花外(著)
うちとき齋藤さいとうむすめ嫁入よめいつては原田はらだ奧方おくがたではないか、いさむさんのやうにしていへうちおさめてさへけばなん子細しさい
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
お前がそういつて剛情を張つておいでのところを見ると、うしてもあたしが彼家あすこ嫁入いつたのを根にもつて、あたしを呵責いためて泣かして、笑つてくれやうと思つておいでなのにちがひない。
もつれ糸 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「けれども必竟は本人のために嫁入かたづけるんで、(そう申しちゃ角が立つが、)姉さんや市蔵の便宜べんぎのために、千代子の結婚を無理にくり上げたり、くり延べたりする訳にも行かないものだから」
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
……実のところ、僕が小指レコの姉なんぞも、此家ここへ一人二度目妻にどめのを世話しようといってますがね、お互にこの職人が小児こどもに本を買ってる苦労をするようじゃ、すえを見込んで嫁入きてがないッさ。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「今の若いものは、嫁入むかさるとすぐ子を産むじゃないか」
伸子 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
唐突だしぬけ嫁入よめらせると、そのぞっこんであった男が、いや、失望だわ、懊悩おうのうだわ、煩悶はんもんだわ、すべった、転んだ、ととかく世の中が面倒臭くって不可いかんのです。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
是はまあどうした訳と二三日は気抜きぬけする程恨めしくは存じたれど、只今ただいま承れば御親子ごしんしの間柄、大切の娘御を私風情のいやしき者に嫁入よめいらしてはと御家従ごけらいのあなたが御心配なすッてつれゆかれたも御道理
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)