“きて”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
来手42.1%
来人15.8%
10.5%
着手10.5%
嫁入5.3%
5.3%
来者5.3%
着人5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
養子に来手きてでもあれば、それに越したことはないが、母の住江は、別にこの娘に寄つかゝらうといふつもりはないのである。
(新字旧仮名) / 岸田国士(著)
自家と対等、或いはそれ以上のところからさえ、町家なら、養子の来人きては降るようにある。何しろ江戸一の美女に二十五万両の身代がいているのである。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
見付てヤア/\皆々みな/\はやきてなアレ紙くづ買がきつねばかされて田圃のなかで屑はござい/\と呼で一ツ所をゆきたりたりしてるがいし投付なげつけやらうと云に子供等は追々おひ/\馳集はせあつまり是は可笑をかしい/\と手に/\石を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ここに起臥おきふしする無法者の乾児こぶんが、手拭だの、着替えだの、火事頭巾だの、襦袢じゅばんだのを雑多に釘へ掛けつらね、中には、誰も着手きてのいるわけがない、紅絹裏もみうらのあでやかな女小袖なども掛け
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……実のところ、僕が小指レコの姉なんぞも、此家ここへ一人二度目妻にどめのを世話しようといってますがね、お互にこの職人が小児こどもに本を買ってる苦労をするようじゃ、すえを見込んで嫁入きてがないッさ。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
これは私が自分で玉蜀黍たうもろこしを蒔いてよく出来たから見にきてと此間いつてやつたからのことで、私の大中好だいなかよしの人たち故、日和下駄ひよりげた一件は一寸ちよつと忘れてしまひ
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
生憎あいにく前日来の雨で、到底来者きてはあるまいと思うて居ると、それでもかさをさして夕刻ゆうこくから十数人の来客らいきゃく
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
同じ緋縮緬の長襦袢を着せても着人きてによりて、それが赤黒く見える。紫の羽織を着せても、着人によりて色が引き立たない。
白い下地 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)