“起臥”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きが47.0%
おきふし41.0%
おきふ4.8%
きぐわ4.8%
ねおき2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この室には一月前まで露国の鉄道援護の士官が起臥きがしていた。日本兵が始めて入った時、壁には黒くすすけたキリストの像がかけてあった。
一兵卒 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
何故なぜと云えばお君さんは、その女髪結の二階に間借をして、カッフェへ勤めている間のほかは、始終そこに起臥おきふししているからである。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
彼女はいま財界になくてならぬ大名士だいめいしの、時めく男爵夫人である。飛鳥山あすかやまの別荘に起臥おきふしされているが、深川の本宅は、思出の多い、彼女の一生の振出しの家である。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
『実は発行所に起臥きぐわしてゐる高田浪吉君にも知らせなかつたのだから』といふやうなことも其時附加つけくはへたのであつた。夜ふけてから僕は家に帰つた。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
宿直室に起臥ねおきしてゐる校長が漸々やうやう起きて顔を洗つたばかりのところへ、二里の余も離れた処にある分校の目賀田といふ老教師が先づ来た。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)