“煤”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すす80.7%
すゝ12.7%
くす3.1%
いぶ1.5%
くすぶ0.4%
すみ0.4%
0.2%
0.2%
ふす0.2%
スス0.2%
スート0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そして隣りの物干しの隅にはで黒くなった数匹のセキセイが生き残っているのである。昼間は誰もそれに注意を払おうともしない。
交尾 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
此のとで、新しい東京は年毎けて行く。そして人もる。つい眼前にも湯屋煤突がノロ/\と黄色い煙を噴出してゐた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
箱の前には小さな塗膳があって其上に茶椀小皿などが三ツ四ツ伏せて有る其横にぼった凉炉が有って凸凹した湯鑵がかけてある。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
しばらくすると、枯れ杉との枝をつかんで戻ってきた。そして、所を見計らって、そのの木をプスプスとしはじめる。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
権太郎は四角張った顔をまっ黒にらせて、大きな眼ばかりを光らせている様子が、見るからに悪戯そうな餓鬼だと半七は思った。
半七捕物帳:06 半鐘の怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
ここかしこの短檠や燈台の灯はをふいて暗く揺れ、火元の方の烈しい物音と共に、たちまち物凄い家鳴りがすべてをつつんでしまった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「遅かったなあ兄弟」中でごろごろしている仲間の者たちがしくいうと、寒空にされてきた赤ら鼻をべるように炉へ向ってみこんだ二人の手下は
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
難波人葦火してあれどが妻こそめづらしき 〔巻十一・二六五一〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
破れぶれた障子を陽にらせて立っていたが、その障子が、内側から細目に開き、一人の武士が、身を斜めに半身を現わし、蒼味がかった、幽鬼じみた顔を覗かせた。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
風がつて過ぎたと思ふと、其高いから、どつと吹き込んで来た。ばら/″\落ちかゝるのは、がこぼれるのだらう。明王の前の灯が、一時かつと明るくなつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
にするのはだよ。今息子がから取って来た」
村の成功者 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)