“煤色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すすいろ87.5%
すゝいろ6.3%
ビチューム6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
眼下の海面はドス黒き煤色すすいろに泡立って、機関部艦底より浮び出ずる油の汚水によって、海底の浪の渦巻きは凄絶極まりなき様相を呈し
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
歩廊ほらうの中にづらりと並んだ店から土産物を勧める声に振返りもせず、左に高い鐘楼を一べつしたまゝ僕はサン・マルコ煤色すゝいろをした扉を押してはひつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
心づくしの柿の葉鮨を、眼を伏せながら口へ運んでいると、去年の秋、見て来た滕県城の煤色ビチュームの重々しい城壁のすがたがありありと瞼の裏に浮んで来た。
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)