“歩廊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
プラットホーム38.1%
プラット・ホーム14.3%
ほうむ14.3%
プラツトフオーム14.3%
プラツトホーム9.5%
ほらう4.8%
プラットフォーム4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高木は返辞もしないで、一人でにこにこしながら、改札口から歩廊プラットホームの方へ歩いていった。その歩廊プラットホームに立った時、私もまた不平を続けた。
二等車に乗る男 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
……すると全く不意に、ガタンと激しい音がして、歩廊プラット・ホームへ出るドアが開き、どっと吹込ふきこんで来た風にあおられて卓子テーブルの上の洋灯ランプが消えた。
廃灯台の怪鳥 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ひつそりとした白晝まひる歩廊ほうむに、巨大な列車が夢のやうに靜止してゐる。
大船駅で (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
澤山な人の群がる歩廊プラツトフオームに立つても、三田は田原と蟒を心待に待つた。ほんとに自分を知つてゐるのは、廣い世の中に此の二人きりのやうな氣がした。
大阪の宿 (旧字旧仮名) / 水上滝太郎(著)
音楽家はモツアルトの楽譜でも踏むやうな足つきをして、歩廊プラツトホームをあちこち徜徉うろついてゐた。
歩廊ほらうの中にづらりと並んだ店から土産物を勧める声に振返りもせず、左に高い鐘楼を一べつしたまゝ僕はサン・マルコ煤色すゝいろをした扉を押してはひつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
風呂敷包のなかには書きためた詩と、あたらしい原稿紙の幾帖かがあるきり、外に荷物なぞはなく、ぶらりと歩廊プラットフォームに出たときに眼にはいつたものは、煤と埃でよごれた煉瓦の色だつた。
洋灯はくらいか明るいか (新字新仮名) / 室生犀星(著)