“くす”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
41.2%
21.0%
12.1%
5.8%
5.8%
5.4%
2.3%
玖珠1.9%
1.6%
0.8%
(他:5)2.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこここに高くそびゆる宏大な建築物たてものは、壮麗で、斬新で、くすんだ従来の形式を圧倒して立つように見えた。
並木 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
むしろ一時代前の東山趣味ともいえる、くすんだ墨と、粗描の線と、多くの余白との中に甚だしく余韻よいんを尊んでいた。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よさないかよ、馬鹿々々しい。お前がそんな恰好をしたつて、少しも色つぽくなんかなりやしないよ、くすぐつたい野郎だ」
「止さないかよ、馬鹿々々しい、お前がそんな格好をしたって、少しも色っぽくなんかなりゃしないよ、くすぐっ度い野郎だ」
それは生国魂いくたま神社の境内の、さんがんでゐるといはれてこはくて近寄れなかつたくすの老木であつたり
木の都 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)
床はくすの木の寄木よせき仮漆ヴァーニッシを掛けて、礼にかなわぬ靴の裏を、ともすれば危からしめんと、てらてらする。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
是においてか我彼に。汝等のくすしき姿の中には、何ならむ、いと聖なるものありて輝き、昔のかたち變りたれば 五八—六〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
またピエートロ・ベルナルドネの子たりし爲にも、くすしくさげすまるべき姿の爲にも、心の怯額おくれさず 八八—九〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
うちの長屋に重兵衛じゅうべえさんの家族がいてその長男のくすさんというのが裁判所の書記をつとめていた。
読書の今昔 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
そこの幕中に、幹の太さ三抱えもあるくすの大木があった。義元は、雨をもいとって、こずえの下へ寄った。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
内陣には御主おんあるじ耶蘇ヤソ基督キリスト画像ぐわざうの前に、蝋燭らふそくの火がくすぶりながらともつてゐる。
悪魔 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
とこれから足を洗って上へ通ると、四尺に三尺の囲炉裏に真黒な自在を掛け、くすぶった薬鑵やかんがつるしてあります。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
暗い襖、すゝびた柱、くすんだ壁、それらの境界もはつきりしない処に、何だかぼんやりした大きな者が、眼を瞑つて待つてゐる。
父の死 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
それと並んで、花や、果物や、切り割った西瓜や、野豚の頭や、倒さに吊りさげた鴨を描いた大きなくすんだ油絵が壁の半ばを占領している。
その結果がよいところから、東京電灯が玖珠くす飯田はんだ湯坪ゆつぼまた地熱研究所を設置している。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
余が先年、豊後ぶんご玖珠くす郡の山間にて、ある農家が高価に買い入れたのを見たことがある。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
西洋人は風邪かぜでも引くとぐこのチキンブローを食べますが大層身体からだが温まってくすりだと申します。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
第四十一 牡蠣雑炊ぞうすい は寝汗のくすりで普通の雑炊へ牡蠣と葱とを入れてしばらく煮たものです。食べる時に大根卸しを添えます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
なまよみの 甲斐の国 打ち寄する 駿河の国と こちごちの 国のみ中ゆ 出で立てる 不尽の高嶺は 天雲あまぐもも い行き憚り 飛ぶ鳥も びものぼらず 燃ゆる火を 雪もて消ち 降る雪を 火もて消ちつゝ 言ひもかね 名づけも知らに くすしくも 座す神かも 石花海せのうみと 名づけてあるも その山の 包める海ぞ 不尽河と 人の渡るも その山の 水のたぎちぞ 日本ひのもとの やまとの国の しづめとも 座す神かも 宝とも なれる山かも 駿河なる 不尽の高峰は 見れど飽かぬかも
二、三の山名について (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
高光る 日嗣ひつぎ皇子みこ 厩戸うまやどの ひじりおほぎみ けはし世に れましまして はらからと たのおみらが 由々しくも 惑へるなかに いかさまに 嘆きませるか かしこくも 斑鳩の里 うち日さす 宮居みやいさだめて 飛ぶ鳥の 明日香あすかのみ代ゆ あかつきの 道うちひらくと 夢殿に ひとりこもらせ 夕されば のりのきはみを 明けくれば 国のかためを 身もあらに 瞑想おもひこらしつ 天皇すめらぎの まさきせと おみなべて 和ぐ日をや 民なべて らふ時をや いつくしく 祈りたまへる 憲法のりみれば 尊きろかも ふみよめば 涙しながる すべなきは 世のうつろひや われはも しのびまつりて 青によし 奈良山を越え 千年ちとせる 宮居が址に なづさへば ひのことごと よろづ代に らすごと 仄暗ほのくらの 高どのぬちに くすしくも 光りいませる 救世くせのみほとけ
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
これは有名な国栖くすの奏などと併せ考うべきもので、国栖くすもやはり吉野山中の一種の山人やまびとでありました。
前の三には牡牛のごとき角あれども後の四には額に一の角あるのみ、げにかくくすしき物かつてあらはれしためしなし 一四五—一四七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
國「そればかりじゃアないよ孝助は殿様の物をくすねるから、お前孝助と一緒にいると今に掛り合いだよ」
鋳物いものの香炉の悪古わるふるびにくすませたると、羽二重はぶたへ細工の花筐はなかたみとを床に飾りて、雨中うちゆうの富士をば引攪旋ひきかきまはしたるやうに落墨して、金泥精描の騰竜のぼりりゆう目貫めぬきを打つたるかとばかり雲間くもま耀かがやける横物よこものの一幅。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
右の手で金を出すてえと、屹度左の手は物をくすねて居やあがる。
かんかん虫 (新字新仮名) / 有島武郎(著)