“桑名”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くわな87.5%
くはな12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このわしか。——これもその呂宋兵衛が、桑名くわなから浜松へくるとちゅうでつかまえたのを、菊池半助きくちはんすけのところへ土産みやげに持ってきたのじゃ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なんと言っても蛤御門の付近は最も激戦であった。この方面は会津、桑名くわなまもるところであったからで。皇居の西南にはくすの大樹がある。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かの有名な小御所の會議で王政一新の議を決められた。處が慶喜公を初め、會津も桑名くはなも其會議に省かれた。のみならず、其の前後、徳川征討の密勅が薩長二藩に下つた。といふ噂が立つた。
兵馬倥偬の人 (旧字旧仮名) / 塚原渋柿園塚原蓼洲(著)
桑名くはな四日市よつかいちは昨夕の殘睡のうちにいつしか通りすごして、車道は漸う/\四山の群がる間をわけ登るに、冬近き空の氣色定めなく、鈴鹿すずかは雲に隱れて嘘のやうな時雨がはら/\と窓を打つてきた。
伊賀、伊勢路 (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)