“霊”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
れい34.1%
たま20.7%
たましい12.6%
たましひ7.4%
みたま4.4%
タマ3.0%
たまし2.2%
りょう2.2%
くす1.5%
あにま0.7%
かたち0.7%
かみ0.7%
0.7%
くし0.7%
こころ0.7%
こゝろ0.7%
さと0.7%
もの0.7%
アニマ0.7%
アーム0.7%
ソール0.7%
タマシイ0.7%
トテム0.7%
ミタマ0.7%
モノ0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
平家の人びとのれいは、まだじゅうぶんには、なぐさめられなかったとみえます。つぎの物語ものがたりはこのふしぎなことのひとつであります。
壇ノ浦の鬼火 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
あざむくに詞なければ、じつをもてぐるなり。必ずしもあやしみ給ひそ。吾は九三陽世うつせみの人にあらず、九四きたなきたまのかりにかたちを見えつるなり。
わたしのたましいはここを離れて、天の喜びにおもむいても、坊の行末によっては満足が出来ないかも知れません、よっくここをわきまえるのだよ……
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
而して更に新らしい驚異の鋭感にやるせなきわれ自らのたましひを慄かす近代の心にもなほありしそのままの声音に郭公は啼き、寂しい日本の笛は鳴る。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
聖上のみならず、私は玉音をとほして歴代 至尊のみたまを如実に感じた。 聖武天皇の玉音をもこゝに彷彿し申し上げたと云つてよい。
君臣相念 (新字旧仮名) / 亀井勝一郎(著)
そこまで信仰におひつめられたと言ふよりも寧、自らタマのよるべをつきとめて、そこに立ち到つたのだと言ふ外はない。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そして心の底までひやっとするような気がすると、それと同時に楯井さんは、すぐ嫁さんのたましだと思込んでしまった。
惨事のあと (新字新仮名) / 素木しづ(著)
りょうのたたりであろうか、もしかしたら故郷に捨ててきた妻が怨霊おんりょうとなってたたりをしているのであろうかと、正太郎は、ひとり胸をいためるのだった。
越え 千年ちとせる 宮居が址に なづさへば ひのことごと よろづ代に らすごと 仄暗ほのくらの 高どのぬちに くすしくも 光りいませる 救世くせのみほとけ
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
だが吾々はあにまに於て神の国に生きる事が出来ると同時に肉体に於てカイザルの国に属してゐるのですからね。今の現世に於て、吾々は何と云つてもカイザルの支配を受けない訳に行かないのです。
一〇五これは美濃の国を出でて、みちの一〇六いぬる旅なるが、このふもとの里を過ぐるに、山のかたち、水の流のおもしろさに、おもはずもここにまうづ。日もななめなれば里にくだらんも一〇七はるけし。
されば富貴のみちは仏家にのみそのことわりをつくして、儒門の教は八九荒唐くわうたうなりとやせん。九〇かみも仏の教にこそ九一らせ給ふらめ。九二いなならばつばらにのべさせ給へ。
森のなかにはいのちのしきちからが織りなした無数の驚異が秋の夕の星のやうに漂ふてゐるかも知れない。
沈黙の扉 (新字旧仮名) / 吉田絃二郎(著)
驚けよ、この命、くしびに若し
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
卑怯ひきょうだ、此奴こいつ! はじめからそれは求めぬちかいであった。またそれを求むる位なら、なぜ、行方も知れずとらうる影なきその人を、かくまで慕う。忘れられぬはそのこころであろう。
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
若い刺青師のこゝろは墨汁の中に溶けて、皮膚ににじんだ。焼酎に交ぜて刺り込む琉球朱の一滴々々は、彼の命のしたゝりであった。彼は其処に我が魂の色を見た。
刺青 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
戯れに一絶をつくって曰く、〈聞説きくならく獼猴性すこぶるさとし、相車来ればすなわち満山に迎う、騾にむちうちてここに到れば何ぞかつて見ん、始めて覚る毛虫もうちゅうにもまた世情〉。
騒ぎにつけこんで、悪いたまや、ものが、うようよとつめかけて来るもので御座ります。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
いゝえ、神父パードレさま、私はお金のことばかり考へてゐるわけではありません。アニマのたすかりのことを第一に忘れてはをりませぬ。また、慈善の心も忘れてはをりませぬ。
わが血を追ふ人々 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
然してこれらの花のアームに於ける最も英雄的努力の驚嘆すべき伝記を述べた書はチヤールス・ダーヰンの「蘭と昆虫」である。——。
卓上演説 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
今思へばこの特徴が自然と大きくなつて氏を象徴の域まで押し上げたのである。尤も氏の象徴には多少の問題が残つて居る。それは主としてソールの不明である。
明治詩壇の回顧 (新字旧仮名) / 三木露風(著)
 私はどうしたら好いんだろう、アア私のタマシイ
葦笛(一幕) (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
さて昔は日本にも族霊トテム盛んに行われ、一部族また一家族が蛇狼鹿、その他の諸物を各々その族のトテムとしたらしいてふ拙見は、『東京人類学会雑誌』二七八号三一一頁に掲げ置いた。
あはれ、やさしかりし友のミタマは今よみの国に安らかな眠りを続けて居られる事でせう。
手紙 (新字旧仮名) / 知里幸恵(著)
騒ぎにつけこんで、悪いタマや、モノが、うよ/\とつめかけて来るもので御座ります。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)