“弁”のいろいろな読み方と例文
旧字:
読み方割合
わきま71.4%
べん19.2%
しゃべ1.5%
はなびら1.5%
わか1.5%
わき1.1%
バルブ0.8%
ことわ0.4%
しや0.4%
びら0.4%
0.4%
わいわい0.4%
わきまえ0.4%
わきめ0.4%
ベン0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「前後をよくわきまえてから物はいうものじゃ、第一の着到はかくいう弓削田宮内じゃ、お歴々れきれきといえども、着到順から申せば皆後じゃ」
討たせてやらぬ敵討 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
花柳くわりうに身をはたしたるものゆゑはなしもおもしろく才もありてよく用をべんずるゆゑ、をしき人にぜにがなしとて亡兄ばうけいもたはむれいはれき。
ある寒い朝、十時ごろに楊枝ようじをつかいながら台所へ出て来た笹村の耳に、思い出したこともない国訛くになまりでしゃべっている男女の声が聞えて来た。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
と思うと、すらりとゆらくきいただきに、心持首をかたぶけていた細長い一輪のつぼみが、ふっくらとはなびらを開いた。真白な百合ゆりが鼻の先で骨にこたえるほど匂った。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おもかげに」の類の歌に出てゐる執こいまでの抒情気分は、もう一歩進めれば「春の歌」か「恋歌」かのわかちがつかなくなる。
惣「ヘエ、手前は羽生村の惣次郎と申す何もわきまえませぬ百姓でございます」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
重油のバルブを巧みに開いて、飛行島のスピードを今二十ノットに上げたばかりの機関部員は、面長の東洋人であった。
浮かぶ飛行島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
寸々ずたずたに引き切っても、首はなお残りて腹に入りついに人を殺す(とはよくよく尻穴に執心深い奴で、水に棲むてふことわりがないばかり、黒井将軍がしらされたトウシ蛇たる事疑いを容れず)
そんなふうはなしを、どうかするとたどたどしいしたしやべつた。
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
雨けむる夜は花びらと閉ぢてあり
天の狼 (新字旧仮名) / 富沢赤黄男(著)
カーテンをかかげて外を見ると、ストーブの温か味で汗をかいた硝子ガラス戸を透して、まるで深海の底のように黒目あやめかぬ真暗闇が彼を閉じこめていることが分った。
軍用鼠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
容止みかほたかくさかしくて音辞みことばすぐあきらかなり。天命開別あめみことひらかすわけの天皇(天智天皇)の為にめぐまれたまふ。ひととなるに及びてわいわいしくて才学かど有り、もっと文筆ふみつくることこのむ。詩賦しふおこり、大津より始まれり……。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
余「併し相手が是非のわきまえもない獣類で有って見れば、引っ掻れたとて別に恥じる事も有りますまい、シタが余ほどのお怪我ですか」夫人「大した事も有りませんが痛みがはげしいのです、痛みさえなくなれば、医者にも及びませぬけれど」
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
手前たちゃ物のわきめえもなけりゃ物覚えも悪いと来てるんだからな。手前たちの母親おふくろは何だって手前らを海へなんぞ出したのか己にゃあわからねえ。
軍井グンゼイイマダ達セズ、将カツハズ。軍幕未ダベンゼズ、将ムヲ曰ハズ、軍サウ未ダカシガズ、将飢ヱヲ曰ハズ、冬、キウヲ暖ニセズ、夏、センラズ、雨ニガイヲ張ラズ。是ヲ、将ノ礼トイフ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)