わか)” の例文
旧字:
「おもかげに」の類の歌に出てゐる執こいまでの抒情気分は、もう一歩進めれば「春の歌」か「恋歌」かのわかちがつかなくなる。
二人は、一年ぐらいは仲しだったが、だんだん、いろんなことで、貧富の区別が、わかりはじめると、自然うとくなった。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
衣の色さへわかち得ざればおもては況して見るべくも無けれど、浄土の同行の人なるものを、呼びかけて語らばや、名も問はばやと西行は胸に思ひけるが、卒爾にものいはんはあしかるべし
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
実際此辺りまでは神か人かのわかちさへつかない。万葉人も世が進むにつれて、復活よりも不死、死を経ての力よりも死なぬ命を欲する様になつた。
万葉びとの生活 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)