“花弁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はなびら83.1%
かべん14.5%
くわべん1.2%
はらびら1.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おゝ美しき薔薇の花弁はなびらよ——お前はどうしてそんなに傷ましく散り果てたのか、——どうか、その理由を私に答へて下さい、薔薇の花弁よ——。
青白き公園 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
はなは、この厚顔あつかましいくもが、せめて花弁はなびらだけ、いとでしばりつけないのを、せめてものしあわせとかんがえていました。
くもと草 (新字新仮名) / 小川未明(著)
自分は明日あす早朝キリクランキーの古戦場をおうと決心した。崖から出たら足の下に美しい薔薇ばら花弁はなびらが二三片散っていた。
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それから、ホレイショの凄惨せいさんな独白があって、それが終ると、頭上の金雀枝を微風が揺り、花弁はなびらが、雪のように降り下って来る。
オフェリヤ殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
さま/″\の、青や赤の草花の花弁はなびらをいちまいいちまい、針で通してつなぎました。この花弁で首輪を作つたり腕輪をつくつたりしてあそびました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
花弁かべんは平開し、およそ十ぺん内外もあるが、しかし花容かよう、花色種々多様しゅじゅたようで、何十種もの園芸的変わり品がある。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
その唇は二枚の小さき花弁かべんの如く、その鼻は美しき貴公子きこうしの鼻と異なる所なく必ず細き曲線に限られ、またその眼は二つの穴の真中に黒点を添へたるに過ぎず。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
が、あか花弁かべんえついたように、はたいろがかがやいて、ちょうどかぜがなかったので、はたは、だらりとれていました。
希望 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まったく途方とほうれたのであろう。春信はるのぶかおあげたおせんのまぶたは、つゆふくんだ花弁かべんのようにうるんでえた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
——なお四人、六人、八人と、数を加えて、同じように光秀の死骸をめぐって殉じた人たちの亡骸なきがらは、またたくうちに大きな一箇の血の花弁かべん花心かしんを地上に描いた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
狭い室内には、大きな二つの椅子と三つの画架、机、絵の具箱、カンヴァス、灰皿、大きな口のかけた壺のなかには、黒いダリヤが花弁くわべんをおとしてゐて、足のふみばもなかった。
秋は淋しい (新字旧仮名) / 素木しづ(著)
さあ、言わないことか、花弁はらびらの中へ迷込んで、あぶめ、もがいても抜出されぬ。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)