“片”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かた31.2%
きれ28.3%
かけ10.5%
ぺん8.2%
ひら4.5%
ペンス2.8%
かけら2.3%
へん2.0%
ぺら2.0%
はし1.4%
1.1%
ペニー1.1%
ぎれ0.8%
0.8%
びら0.6%
ペニイ0.6%
0.3%
かたづ0.3%
ぎん0.3%
へら0.3%
ハシ0.3%
ペニヒ0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いままで、たのしかった、いえなかは、たちまちわらいがえてしまって、あには、自分じぶん本箱ほんばこや、つくえのひきだしを、かたづけはじめました。
たましいは生きている (新字新仮名) / 小川未明(著)
おまけに、この間の水なるものが、非常にきたない。わらくずやペンキ塗りの木のきれが黄緑色に濁った水面を、一面におおっている。
出帆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「色も匂ひも味もないところを見ると、砒石ひせきだらうと言ふことで、喰べ殘しの小さいかけらを、本道の石齋が持つて行きましたが」
太空そらは一ぺんの雲も宿とどめないが黒味渡ッて、二十四日の月はまだ上らず、霊あるがごとき星のきらめきは、仰げば身もしまるほどである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
其方そちもある夏の夕まぐれ、黄金色こがねいろに輝く空気のうちに、の一ひらひらめき落ちるのを見た時に、わしの戦ぎを感じた事があるであろう。
よろこばすべきたくさんの品。私はたしかにあなたを、たった六ペンスで冷たく打ち倒すことも可能でしょう。ただちょっと実物さえ御覧になれば——。
兎も角もと私は其処に腰を下した。足の裏がちくちくと痛んでゐる。雲のかけらは次第に消えて白い月影のみいよ/\寂しい。
岬の端 (新字旧仮名) / 若山牧水(著)
花下かかにある五萼片がくへん宿存しゅくそんして花後かごに残り、八へんないし多片の花弁かべんははじめうちかかえ込み、まもなく開き、かおりを放って花後に散落さんらくする。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
たなの上から、うすぺらな赤い石鹸を取りろして、水のなかにちょっとひたしたと思ったら、それなり余の顔をまんべんなく一応撫で廻わした。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
人の子を瓦のはしのやうに思つて居るそんな人間を養つて置く広いやしきや無用な塀の多い街を私は我子を置いて死にところとはよう思ひません。
遺書 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
七つ八つの泡によって鍋底から浮上り漂う銀杏形いちょうがたれの中で、ほど良しと思うものを彼ははしで選み上げた。手塩皿の溜醤油たまりに片れの一角を浸し熱さを吹いては喰べた。
食魔 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
欠損の主因はファーニッシング・デパートメント仕入の際、英為替二シリングペニーであったのが送金のとき二志以下となる。
新種族ノラ (新字新仮名) / 吉行エイスケ(著)
足へ一斗樽ほどにボロぎれを巻く手際も心得てしまった頃でも、何うかすると貰いが少なくて、夕飯にあり付き損ねたり、暴風雨あらしや吹雪の晩など、橋の下や、堂宮の軒下に、臍まで濡れて
見ると、エメーリャが入って来るのです! 真っ青な顔をして、往来にでも寝たのか、髪や髭は泥だらけ、体はみたいに痩せさらばえているのです。
うつるにつれて黄蝋の火は次第にすみにおかされて暗うなり、燭涙しょくるいながくしたたりて、ゆかの上にはちぎれたるうすぎぬ、落ちたるはなびらあり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
私の小さい女中は、私の家の掃除の手傳ひをしてから、一ペニイの手傳ひ賃で、大喜びでいつた。
のひとつぶやき
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
座敷ざしき張易はりかへんだときにはもう三時過じすぎになつた。さううしてゐるうちには、宗助そうすけかへつてるし、ばん支度したくはじめなくつてはならないので、二人ふたりはこれを一段落いちだんらくとして、のり髮剃かみそりかたづけた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「わしだよ。そこでさっきの話のつづきだがね、おまえは魚屋の前からきたとすると、いますずきが一ぴきいくらするか、またほしたふかのひれが、十テールに何ぎんくるか知ってるだろうな。」
山男の四月 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
樫をけづつた木のへら
妄動 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
此頃になつて、それは、遠い昔の夢の断れハシの様にも思はれ出した。唯この前提が、その時、少しばかり目醒めかけてゐた反抗心を唆つたので、はつきりと頭に印せられたのである。
身毒丸 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
二、三十ペニヒで相当なものが吸われた。馬車屋クッチャーや労働者の吸うもっと安い葉巻で、吸口の方に藁切わらぎれが飛び出したようなのがあったがその方はためした事がない。
喫煙四十年 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)