“片傍”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたわき58.3%
かたほと16.7%
かたそば8.3%
かたはら8.3%
かたほとり8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は咄嗟とっさの場合ハッと片傍かたわきへ飛びのいたからよかったものの、しそうでなかったら、その物体に打たれて大怪我おおけがをしている所でした。
屋根裏の散歩者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
この時さも弱り切ったように溜息ためいきをしまして、自分はあの多留美の湖の片傍かたほとりに住んでいる者だが、近い内に王様がお后を御迎え遊ばすという事を聞いたから
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
その中に輪違いの紋と、墨絵の馬を染出そめだした縮緬ちりめんの大夜具が高々と敷かれて、昔風の紫房の括枕くくりまくらを寝床の上に、金房の附いた朱塗の高枕を、枕元の片傍かたそばに置いてあった。
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
よこれて田畝道たんぼみちを、むかふへ、一方いつぱうやますそ片傍かたはら一叢ひとむらもり仕切しきつた真中まんなかが、ぼうひらけて、くさはへ朧月おぼろづきに、くもむらがるやうなおくに、ほこら狐格子きつねがうしれる
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もう是れまで来れば宜いと思うと益々雪の降る気候に向って、く事も出来ませんから、人知れず千島村ちしまむらという処へ参って、水無瀬みなせの神社の片傍かたほとり隠家かくれがに身を潜め
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)