片傍かたほと)” の例文
この時さも弱り切ったように溜息ためいきをしまして、自分はあの多留美の湖の片傍かたほとりに住んでいる者だが、近い内に王様がお后を御迎え遊ばすという事を聞いたから
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
今年九十三歳になって中風の気味で郷里福岡の片傍かたほとりの伯父の家に寝ているのであるが、これをこの間久方振りに帰郷した時見舞いに行って見ると、折節おりふし伯父伯母は下女を残して外出の留守で
謡曲黒白談 (新字新仮名) / 夢野久作(著)