“片側”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かたがは32.6%
かたがわ30.2%
かたかわ18.6%
かたかは14.0%
かたつら2.3%
かたわき2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三四郎は一歩退しりぞいて、今通つて来たみち片側かたがはを振り返つて見た。同じ様に外国の景色をいたものが幾点となくかゝつてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まだ十二時前ではあったが、片側かたがわ町の人家は既に戸を閉め、人通りも電車も杜絶とだえがちになった往来には円タクが馳過かけすぎるばかり。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
ほばしらの様な支柱を水際のがけから隙間すきまもなく並べ立てゝ、其上に停車場は片側かたかわ乗って居るのである。停車場の右も左も隧道とんねるになって居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
……片側かたかはならべて崖添がけぞひに、およそ一けんおきぐらゐに、なかめて、一二三堂ひふみだうふ、界隈かいわい活動寫眞くわつどうしやしんてた、道路安全だうろあんぜん瓦斯燈がすとうがすく/\ある。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
又残る片側かたつらは、眉千切ちぎれ絶え、まなじり白く出で、唇ななめかたよりて、まことに鬼のすがたとや云はむ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
畔柳の住居すまひを限として、それよりさきは道あれども、まらうどの足をるべくもあらず、納屋、物干場、井戸端などの透きて見ゆる疎垣まだらがき此方こなたに、かしの実のおびただしこぼれて、片側かたわきに下水を流せる細路ほそみちを鶏の遊び
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)