“偏”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひとえ35.3%
かたよ21.6%
ひと15.6%
へん12.0%
ひとへ7.8%
カタヨ1.8%
かた1.8%
あまね1.2%
かたえ0.6%
かたかた0.6%
ひとへに0.6%
ぺん0.6%
ヘン0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これというのもに先きの世の宿業である。若し怨恨を結ぶ時にはそのあだというものは幾世かけて尽きるということのないものだ。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その子供の喰べものは外にまだっていた。さかなが嫌いだった。あまり数の野菜は好かなかった。肉類は絶対に近づけなかった。
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「夜深うしてに独りしたり、めにかを払はん」「形れて朝餐の減ずるを覚ゆ、睡り少うしてへに夜漏の長きを知る」
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ことに漢字では女の字をまたはに含めるものは、むろん善意を含めることなきにあらざるも、多くの場合むしろ悪意を含ましている。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
にこの君を奉じて孤忠を全うし、美と富との勝負を唯一戦に決して、紳士の憎きの皮を引剥かん、と手薬煉引いて待ちかけたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
姫ははじめて、顏へつてかゝつて來る髮のうるさゝを感じた。筬の櫛目を覗いて見た。梭もはたいて見た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
それほどのよった勉強は必要ないので、マアボツボツやって行ったらいいでしょう。
そこで始めて皆が疑いだしたが、周は成の心の異っていたことを知っているので、人をやって成のいそうな寺や山を物色さすと共に、時どき金やをその子にんでやった。
成仙 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
通りすがりに考えつつ、立離れた。して菜種の花。い日影が輝くばかり。左手の緑なのも、向うの山の青いのも、にこの真黄色の、あるを語るに過ぎず。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
例のめる口をめて内儀は空々しく笑ひしが、ち彼の羽織のれたるを見尤めて、の失せたりと知るより、て驚きて起たんとせり、如何にとなればその環は純金製のものなればなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
然れば亡父之靈魂をも安ぜしめ申度御座候に付、其節差上置候證文、御返被下候はゞ、亡父へも右之首尾相濟候儀を申解候半歟と相考候付、宜敷御了解成下候處、希候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
盡しけれ共其なくに享保元年八月十八日歸らぬ旅にきけりて女房おもせは深くきしが今更なきことと村中の者共打て成田村なる九品寺葬送なし一として懇切ひたり此おもせは貞節者にて男りなりければ未だ年若なれども家を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
日、月、山、川等の文字を始め、半ば絵になつてゐる場合も少くなく、愁、悲、涙、泪などは、そのに一々意味が含まれてゐる。
閑人詩話 (新字旧仮名) / 河上肇(著)