“物色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぶっしょく72.7%
ぶつしよく13.6%
うかが9.1%
けしき4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
友仁はどこへ往って自分のことを祈願しようかと思って彼方此方と物色ぶっしょくして歩いた。と、ひとところ燈火の点いてない暗い所があった。
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
かれ直接ちよくせつちゝ紹介せうかいた。ちゝとほして間接かんせつその知人ちじん紹介せうかいた。さうして自分じぶん將來しやうらい影響えいきやうやうひと物色ぶつしよくして、二三の訪問はうもんこゝろみた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
夜目には縁も欄干らんかん物色うかがわれず、ただその映出うつしだした処だけは、たとえば行燈の枠のげたのが、朱塗しゅぬりであろう……と思われるほど定かに分る。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
世にはたいすこやかなるが為に心健かならざるもの多ければ、常に健やかなるものゝ十日二十日病床に臥すは、左まで恨むべき事にあらず、してこの秋の物色けしきに対して、命運を学ぶにこよなき便よすがあるをや。
秋窓雑記 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)