“得”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
51.7%
34.6%
とく10.5%
0.8%
うる0.6%
0.3%
どく0.3%
0.3%
まし0.2%
0.2%
0.2%
えら0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
居室へやかへつてると、ちやんと整頓かたづいる。とき書物しよもつやら反古ほごやら亂雜らんざつきはまつてたのが、もの各々おの/\ところしづかにぼくまつる。
都の友へ、B生より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そんな馬鹿な話はないと、学者はてんで受けつけません。避雷針を立てて、落雷が殖えるなんて、およそ有りべからざることです。
科学が臍を曲げた話 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
十六日の口書くちがき、三奉行の権詐けんさわれ死地しちかんとするを知り、ってさらに生をこいねがうの心なし、これまた平生へいぜい学問のとくしかるなり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
」「可愛」「」「」などの諸語の「え」には衣依愛哀埃など(甲)類に属する文字を用いて延曳叡要などを用いず
国語音韻の変遷 (新字新仮名) / 橋本進吉(著)
故にもし果して言語の伝播にも、周圏波動の法則が存立しうるとするならば、少なくとも一本の堺線を以て、国を南北に二分するの案は危険である。
長吉ちやうきちのわからずやはれも亂暴らんぼううへなしなれど、信如しんによしりおしくはれほどにおもりて表町おもてまちをばあらじ、人前ひとまへをば物識ものしりらしく温順すなほにつくりて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひとこころこころって、いよいよ調子ちょうしづいたのであろう。茶代ちゃだいいらずのそのうえにどさくさまぎれの有難ありがたさは、たとえ指先ゆびさきへでもさわればさわどくかんがえての悪戯いたずらか。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
最も完全な素質を備へた読者が、文章に対してるだけの内容を、出来るだけ適当に忠実に伝へるのが、解釈のねらふ点ではあるまいか。
古歌新釈 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
三月の休暇やすみまでは帰って来られないんだ。けれども家にいて姉さん達にいじめられるよりか余程よっぽどましだと思う。学校には乃公位の子供も大勢いるそうだ。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
内儀は白糸の懐に出刃をつつみし片袖をさぐてて、引っつかみたるままのがれんとするを、畳み懸けてそのかしらり着けたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
皆は振返って今行った人たちの後を見ずにはられなかった。
木曽御嶽の両面 (新字新仮名) / 吉江喬松(著)
而して恋愛の本性をつまびらかにするは、古今の大詩人中にても少数の人能く之を為せり、美は到底説明し尽くすべからざるものにして、恋愛のうちに含める美も、到底説明しえらるまでには到ること能はず
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
らぬのお八重やへ素振そぶさつせずどく我身わがみ大事だいじにかけるとてゆるほど心配しんぱいさせし和女そなたなさけわすれぬなりりながら如何いかほどくしてくるゝともなるまじきねがひぞとは漸〻やう/\斷念あきらめたりそれにつきてまたべつ父樣と さまはゝさまへの御願おねがひあれどかたなり和女そなたなりになげきを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)