“撈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さぐ23.5%
さら23.5%
すく23.5%
かきさが11.8%
11.8%
かいさぐ5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
内儀は白糸の懐に出刃をつつみし片袖をさぐてて、引っつかみたるままのがれんとするを、畳み懸けてそのかしらり着けたり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
天狗てんぐにでもさらわれるように思い、その壻殿が自分の内へ這入り込んで来るのを、この上もなく窮屈に思って、平生心安くする誰彼たれかれに相談したが
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
首里しゅりからすぐ近い別荘の前の海で、手ずからすくられたものばかりというのに、名も附けきれないほどの何百という種類で、形よりも色と斑紋はんもんの変化が目ざましく
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かく言ひつつますます急にかきさがせり。貫一は帽をかぶりたるまま火燵に片肱掛かたひぢかけて、ななめに彼の顔を見遣みやりつつ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
○汐干狩の楽地として、春末夏初の風のどかに天暖かなる頃、あるいは蛤蜊こうり爪紅つまくれないの手にるあり、あるいはもりを手にして牛尾魚こち比目魚ひらめを突かんとするもあるところなり。
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
からくも忍びてつと退きながら身構みがまへしが、目潰吃めつぶしくらひし一番手のいかりして奮進しきたるを見るより今はあやふしと鞄の中なる小刀こがたなかいさぐりつつ馳出はせいづるを、たやすく肉薄せる二人がしもとは雨の如く、所嫌ところきらはぬ滅多打めつたうち
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)