“さら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サラ
語句割合
26.5%
15.9%
13.4%
12.8%
11.5%
8.3%
2.3%
1.8%
1.4%
1.1%
復習0.6%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
温習0.2%
0.2%
0.1%
掠奪0.1%
暴露0.1%
槃碟0.1%
沙羅0.1%
0.1%
0.1%
顱骨0.1%
0.1%
井戸浚0.1%
佐良0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
梟首0.1%
浚渫0.1%
漂白0.1%
0.1%
0.1%
秤皿0.1%
0.1%
誘拐0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
多摩川にさらす手作りさらさらに何ぞこの許多ここだかなしき。こう万葉に詠まれたところのその景色のよい多摩川で彼は終日狩り暮した。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
うつくしいてて、たまのやうなこいしをおもしに、けものかはしろさらされたのがひたしてある山川やまがは沿うてくと、やまおくにまたやまがあつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
庄太郎が女にさらわれてから七日目の晩にふらりと帰って来て、急に熱が出てどっと、床にいていると云ってけんさんが知らせに来た。
夢十夜 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
こゝに住むこと約半年、さらに同町内の他へ移転した。すると、出入でいり酒商さかやが来て、旧宅にゐる間に何か変つた事は無かつたかと問ふ。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
ゆうべの御馳走ごちそうは何んやと次の一間よりまろび出てくるだろう、然る処へ不意に猫の奴が現われて何か一つさらって走るかも知れない。
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
といつて、なみだだかあせだか、帽子ばうしつてかほをふいた。あたまさらがはげてゐる。……おもはずわたしかほると、同伴つれ苦笑にがわらひをしたのである。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「何、これが一番だ。入れ物などに入れて置いては、すきをねらってさらって行かれてしまう、こうして置けばろうたって奪れやしない」
歯の根がガチガチ鳴り出して、眼がポオとなってウッカリすると波にさらわれそうになって来たので四人がだんだん近寄って来て……これはイカン。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わたしは処刑おしおきになるだろうが、その代り私の首がさらされる頃は、お静を始め七人の花嫁は、島原か長崎へ叩き売られているよ
『少將は心弱き者、一朝事あらん時、妻子の愛にかされて未練の最後に一門の恥をさらさんもはかられず、時頼、たのむは其方一人』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
お浪とふたりで復習さらっていましただけに、時疫じやみで枕もあがらぬということで案じておりましたところ、七日の夕方の五ツごろ
顎十郎捕物帳:20 金鳳釵 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
彼女は自分の頭の中に残っているこの古い主観を、活動写真のように誇張して、また彼の前にさらけ出すにきまっていた。彼はそれにも辟易しない訳に行かなかった。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
忽ち球は我色に背きて、監者は冷かに我銀の山をさらひ取りぬ。われは夢の醒めたる如くなりき。我がまことに失ひしは柱文銀一つのみと、獨り自ら慰めて次の室に入りぬ。
チンピラのさらい生活、立ちん坊の働き具合まで加えると……大きく云えば人間世界……小さく見れば全東京のあらゆる商売振りを代表したものが
或る人がなかごう枳殻寺からたちでらの近所を通ると、紙の旗やむしろ旗を立てて、大勢が一団となり、ときの声を揚げ、米屋をこわして、勝手に米穀をさらって行く現場を見た。
そのせゐで、不折氏の門札はいつもさらだ。そしてその六朝文字が初めから段々とちがつて来てゐる。
へどろの赭土あかつちさらして、洒し尽して何の濁りも立てずに、浅く走つて行く水は、時々ものにかれて、ぎらりぎらりとがらになくひらめいたり、さうかと思ふと縮緬ちりめんしわのやうに繊細に
さらした古法帖こほうじょうの上に大きな馬蠅うまばえが飛んで来たので、老人は立って追いながら、「あやまちを改むるにはばかることなかれ。若い時の事はどうもいたし方がない。人間の善悪はむしろ晩節にあるのだよ。」
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
さればこゝに一証をたるゆゑ、此雪譜せつふ記載きさいして后来こうらいしめすは、かゝる瑣談さだんも世に埋冤まいゑんせん事のをしければ、いざさらばとて雪にころばす筆の老婆心らうばしんなり。
奇異なる二重の天秤のさらの上に、見えざる「影」の犯した悪行と、未行はれずして止んだ善行とをはかつてゐるのである。自分には天秤のさらの上り下りが見えた。
力のない声ではじめのところを温習さらってみる。うまくいきそうもない。胸がドキドキしてはきたくなってくる。足元から風が吹きあげているようで、なんともたよりない気持だ。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
「若菜集」にはまた眞白く柔らかなる手にきばんだ柑子かうじの皮をなかばかせて、それを銀のさらに盛つてすゝめらるやうな思ひのする匂はしくすゞしい歌もある。……
新しき声 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
絶大の景色けいしよくに対する時に詞句全くつくるは、即ち「われ」の全部既に没了しさられ、恍惚としてわが此にあるか、彼にあるかを知らずなり行くなり。彼は我をぬすみ去るなり、否、我は彼に随ひ行くなり。
松島に於て芭蕉翁を読む (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
人買ひとかい掠奪さらわれたのさ」
宇賀長者物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
全身を太陽に暴露さらして
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
船は籧篨あじろを編んで日除ひよけ雨除あまよけというようなものをどうにしつらってある。何やら火爐こんろだの槃碟さらだのの家具も少し見えている。
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
沙羅さらのみづに花さけば
沙羅の花 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
売茶翁ちやをうるおきなに問ば、これは山蔭やまかげの谷にあるなり、めしたまはゞすゝめんといふ。さらばとてひければおきな菜刀なきりはうてうとりさらのなかへさら/\とおとしてけづりいれ、豆のをかけていだせり。
見惚みとれてさらあらわれたか、罷了しまいと、慌てて足許あしもとの穴へ隠れたでしゅわ。
貝の穴に河童の居る事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
きずというて別にあるでもなし頭の顱骨さらを打ちったわけでもなければ、整骨医師ほねつぎいしゃ先刻さっき云うには、ひどく逆上したところを滅茶滅茶にたれたため一時は気絶までもしたれ、保証うけあい大したことはない由
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
千代 まあ、此子としたことが——そのやうな事いふものは、あの恐ろしい犬めがさらつてゆきますぞや。家ではばば様が待つておぢやらう程に、早う参らうわいな。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
千代 われら、われら……われら常丸がさらはれておぢやつた。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
なんでも井戸浚さらへの時かで、庭先へ忙しく通りかゝつた父が、私の持出してゐたくはつまづき、「あツ痛い、うぬ黒坊主め!」と拳骨を振り上げた。私はかつとした。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
刈安峠から尾根をつたって五色ヶ原、佐良さら峠、一日中雪の上ばかり歩いていた。そしてはるか下に温泉の低い屋根を見た時、我々は今夜こそ酒がのめるぞ! と口に出して言った。
可愛い山 (新字新仮名) / 石川欣一(著)
兎をやかりせんとする、さらずば天馬空を行くとかいふ詩想の象徴をや示さんとする、と公子語を繼いで云へば、ジエンナロ、否、われ等の跬歩きほなやめる處を、かれは能く飛行すと誇るなるべし
ことに、妹のアンナ・セザレヴィッチの何処どこか東洋的な、日本人向きの美貌びぼうが、兄妹の天才的な演奏と共に、楽壇の人気をさらっていた。その日の演奏は、確か三四回目の演奏会だった。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「——授戒の場を去らせず、わっぱの首をひきぬいて、千年まきの木の股に梟首さらし、からすに眼だまをほじらせるぞと告げるがいい」と、おどしつけて、肩をそびやかして、立ち去った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このほりは、五年も浚渫さらってないぞ。槍や馬の稽古ばかりしていたって、足もとに、こんな泥を溜めているようじゃあ……だめだ」
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天下の城のしゃちほこの代りに、満蒙露西亜ロシアの夕焼雲を横目ににらんで生れたんだ。下水どぶの親方の隅田川に並んでいるのは糞船くそぶねばっかりだろう。那珂なか川の白砂では博多織を漂白さらすんだぞ畜生……。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
この猴甚だ牡蠣かきを好み、引き潮に磯におもむき、牡蠣が炎天にさらされて殻を開いた口へ小石を打ち込み肉を取り食う。たまたま小石がすべれて猴手をかいはさまれ大躁おおさわぎのところを黒人に捕え食わる。
ぷいと立起ツて二階へ歸らうとする………と格子の外にゑてある花屋の籠に、花といふ花が温い眞晝の日光を浴びて、凋むだやうになツて見えるのがさらと眼に映ツた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
ところが、その結果、理智の秤量しょうりょうが反対になってしまって、かえってこっちの方が、犯人のしつらえた秤皿さらの上に載せられてしまったのだよ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
「市子ちゃん、米子ちゃん、店にいるの。こっちへ来ておさらいをしないこと?」
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
返事をくれないのなら若様を誘拐さらってやるの、よい家庭の裏面として松波男爵家の秘密を世間に曝露してやるの、と、脅迫めいた言葉が連ねてあった。
美人鷹匠 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)