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更
>
さら
ふりがな文庫
“
更
(
さら
)” の例文
鬘
(
かつら
)
ならではと
見
(
み
)
ゆるまでに
結做
(
ゆひな
)
したる
圓髷
(
まるまげ
)
の
漆
(
うるし
)
の
如
(
ごと
)
きに、
珊瑚
(
さんご
)
の
六分玉
(
ろくぶだま
)
の
後插
(
あとざし
)
を
點
(
てん
)
じたれば、
更
(
さら
)
に
白襟
(
しろえり
)
の
冷豔
(
れいえん
)
、
物
(
もの
)
の
類
(
たと
)
ふべき
無
(
な
)
く——
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こゝに住むこと約半年、
更
(
さら
)
に同町内の他へ移転した。すると、
出入
(
でいり
)
の
酒商
(
さかや
)
が来て、旧宅にゐる間に何か変つた事は無かつたかと問ふ。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それが一
段
(
だん
)
向上
(
こうじょう
)
すると
浅黄色
(
あさぎいろ
)
になり、
更
(
さら
)
に
又
(
また
)
向上
(
こうじょう
)
すると、あらゆる
色
(
いろ
)
が
薄
(
うす
)
らいで
了
(
しま
)
って、
何
(
なん
)
ともいえぬ
神々
(
こうごう
)
しい
純白色
(
じゅんぱくしょく
)
になって
来
(
く
)
る。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
更
(
さら
)
に
猛進
(
もうしん
)
したが、
如何
(
どう
)
も
思
(
おも
)
はしくなく、
却
(
かへ
)
つて
玄子
(
げんし
)
の
方
(
はう
)
が
成功
(
せいかう
)
して、
鍋形
(
なべがた
)
の
側面
(
そくめん
)
に
小
(
せう
)
なる
紐通
(
ひもとほ
)
しのある
大土器
(
だいどき
)
が、
殆
(
ほとん
)
ど
完全
(
くわんぜん
)
で
出
(
で
)
た。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
そして、
撮影法
(
さつえいほう
)
にも、
現像法
(
げんぞうほう
)
にも、
無論
(
むろん
)
手
製
(
せい
)
の
裝置
(
そうち
)
にも
改善
(
かいぜん
)
を
加
(
くは
)
へて
更
(
さら
)
に何
枚
(
まい
)
かを
試
(
こゝろ
)
みたが、あゝ、それは何といふ
狂喜
(
けうき
)
だつたか?
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
▼ もっと見る
『それにここは電車や自動車も通らず、両側町だからなお
更
(
さら
)
綺麗でもあるしにぎやかでもあるんだね。ちょっと浅草の仲見世みたいに』
早稲田神楽坂
(新字新仮名)
/
加能作次郎
(著)
更
(
さら
)
に邸内に総計十二箇の巣箱を配置し、その箱の板にはヘットなどを塗り附けて、いとも熱心に
雀
(
すずめ
)
以上の羽客を歓迎しているのである。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
私はその間ここにいては
邪魔
(
じゃま
)
になるから、例の小説の資料を採訪すべく、五六日の予定で
更
(
さら
)
に深く吉野川の源流地方を
究
(
きわ
)
めて来る。
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
『
否
(
いえ
)
、
然
(
さ
)
うぢやないのです。』ミハイル、アウエリヤヌヰチは
更
(
さら
)
に
云直
(
いひなほ
)
す。『
其
(
そ
)
の、
君
(
きみ
)
の
財産
(
ざいさん
)
は
總計
(
そうけい
)
で
何位
(
どのくらゐ
)
と
云
(
い
)
ふのを
伺
(
うかゞ
)
うのさ。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
夏には
更
(
さら
)
に
千鳥草
(
ちどりそう
)
の花がある。千鳥草、又の名は飛燕草。葉は人参の葉の其れに似て、花は千鳥か燕か鳥の飛ぶ様な
状
(
さま
)
をして居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
も
更
(
さら
)
に聞き入ず否々
和主達
(
おまへたち
)
が殺したりと云には非ず御知らせ有しは少しの
災難
(
さいなん
)
手續
(
てつゞ
)
きなれば
止
(
やむ
)
を得ず夫とも
達
(
たつ
)
て止まるを
否
(
いな
)
とならば
繩
(
なは
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ところでメイヨーは
更
(
さら
)
にこの硝酸のなかに空気のなかに含まれると同じ物質のあるのを見つけ出し、これを硝気と名づけました。
ラヴォアジエ
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
更
(
さら
)
にいい実物をつくり上げるよう、心がけねばならぬ”——ということばが、深く一郎の心に、きざみつけられたものと見える。
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
これと
同時
(
どうじ
)
にその
論議
(
ろんぎ
)
を
具體化
(
ぐたいくわ
)
した
建築物
(
けんちくぶつ
)
の
實現
(
じつげん
)
が
更
(
さら
)
に
望
(
のぞ
)
ましいことである。
假令
(
たとひ
)
その
成績
(
せいせき
)
に
多少
(
たせう
)
の
缺點
(
けつてん
)
が
認
(
みと
)
められても
夫
(
それ
)
は
問題
(
もんだい
)
でない。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
更
(
さら
)
に
博物館
(
はくぶつかん
)
では
外
(
そと
)
より
來
(
き
)
た
見物人
(
けんぶつにん
)
や
學者達
(
がくしやたち
)
に
研究
(
けんきゆう
)
させるばかりでなく、
博物館
(
はくぶつかん
)
にゐる
人
(
ひと
)
自身
(
じしん
)
がその
陳列品
(
ちんれつひん
)
を
利用
(
りよう
)
して
研究
(
けんきゆう
)
を
重
(
かさ
)
ね
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
道子
(
みちこ
)
は
一晩
(
ひとばん
)
稼
(
かせ
)
げば
最低
(
さいてい
)
千
(
せん
)
五六
百円
(
ぴやくゑん
)
になる
身体
(
からだ
)
。
墓石
(
ぼせき
)
の
代金
(
だいきん
)
くらい
更
(
さら
)
に
驚
(
おどろ
)
くところではない。
冬
(
ふゆ
)
の
外套
(
ぐわいたう
)
を
買
(
か
)
ふよりも
訳
(
わけ
)
はない
話
(
はなし
)
だと
思
(
おも
)
つた。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
けれども
両人
(
ふたり
)
が十五六間
過
(
す
)
ぎて、又
話
(
はなし
)
を
遣
(
や
)
り出した時は、どちらにも、そんな痕迹は
更
(
さら
)
になかつた。最初に
口
(
くち
)
を切つたのは代助であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
軟
(
やはら
)
かさに
滿
(
み
)
たされた
空氣
(
くうき
)
を
更
(
さら
)
に
鈍
(
にぶ
)
くするやうに、
榛
(
はん
)
の
木
(
き
)
の
花
(
はな
)
はひら/\と
止
(
や
)
まず
動
(
うご
)
きながら
煤
(
すゝ
)
のやうな
花粉
(
くわふん
)
を
撒
(
ま
)
き
散
(
ち
)
らして
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「それなら、なお
更
(
さら
)
急がなくては、倭文子さんが殺されてしまうではありませんか。君は一体どうしようというお考えなのです」
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
『これが
私
(
わたくし
)
の
妻
(
つま
)
春枝
(
はるえ
)
。』と
私
(
わたくし
)
に
紹介
(
ひきあは
)
せ、
更
(
さら
)
に
夫人
(
ふじん
)
に
向
(
むか
)
つて、
私
(
わたくし
)
と
彼
(
かれ
)
とが
昔
(
むかし
)
おなじ
學
(
まな
)
びの
友
(
とも
)
であつた
事
(
こと
)
、
私
(
わたくし
)
が
今回
(
こんくわい
)
の
旅行
(
りよかう
)
の
次第
(
しだい
)
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
女中の
房
(
ふさ
)
は手早く
燗瓶
(
かんびん
)
を
銅壺
(
どうこ
)
に入れ、食卓の布を
除
(
と
)
つた。そして
更
(
さら
)
に卓上の
食品
(
くひもの
)
を
彼所
(
かしこ
)
此処
(
こゝ
)
と置き直して心配さうに主人の様子をうかがつた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「よい文学もタマには見られ、よい批評もマレには聞かされるが、よい生活だけは得られそうもないなあ」と。そうして
更
(
さら
)
に附け加えました。
又復与太話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
恩
(
おん
)
ある
人
(
ひと
)
は
二年目
(
にねんめ
)
に
亡
(
う
)
せて
今
(
いま
)
の
主
(
あるじ
)
も
内儀樣
(
かみさま
)
も
息子
(
むすこ
)
の
半次
(
はんじ
)
も
氣
(
き
)
に
喰
(
く
)
はぬ
者
(
もの
)
のみなれど、
此處
(
こゝ
)
を
死場
(
しにば
)
と
定
(
さだ
)
めたるなれば
厭
(
いや
)
とて
更
(
さら
)
に
何方
(
いづかた
)
に
行
(
ゆ
)
くべき
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
窮厄
(
きゅうやく
)
におりながら、いわゆる
喉元
(
のどもと
)
過ぎて、熱さを忘るるの
慣
(
なら
)
い、
憂
(
う
)
たてや血気の壮士は言うも
更
(
さら
)
なり、
重井
(
おもい
)
、
葉石
(
はいし
)
、
新井
(
あらい
)
、
稲垣
(
いながき
)
の諸氏までも
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
僕の尊敬する所は鹿島さんの「人となり」なり。鹿島さんの如く、熟して
敗
(
やぶ
)
れざる
底
(
てい
)
の東京人は
今日
(
こんにち
)
既に見るべからず。
明日
(
みやうにち
)
は
更
(
さら
)
に
稀
(
まれ
)
なるべし。
田端人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
大地震
(
おほぢしん
)
の
場合
(
ばあひ
)
に
於
(
おい
)
て、
二階建
(
にかいだて
)
或
(
あるひ
)
は
三階建
(
さんがいだて
)
等
(
とう
)
の
最下層
(
さいかそう
)
が
最
(
もつと
)
も
危險
(
きけん
)
であることは、
更
(
さら
)
に
詳説
(
しようせつ
)
を
要
(
よう
)
しない
程
(
ほど
)
によく
知
(
し
)
られてゐる。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
何もそんな奴に頼まなくたっていいじゃないか。そして女というものの、そんなことにかけての、無神経さや残酷さを、今
更
(
さら
)
のように憎み出した。
愛撫
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
○ベースボールの球(承前) 場中に一人の
走者
(
ラナー
)
を生ずる時は
球
(
ボール
)
の任務は重大となる。もし走者同時に二人三人を生ずる時は
更
(
さら
)
に任務重大となる。
ベースボール
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
弥陀ヶ原から
五葉坂
(
ごようざか
)
を登ると
御前平
(
おまえだいら
)
で、
更
(
さら
)
に一千一尺、雲際に突入する御前岳の頂上に白山神社の本社があるのでした。
天保の飛行術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
然
(
しか
)
しながら
更
(
さら
)
に詳しいことは動物心理学の
沢山
(
たくさん
)
の実験がこれを提供致すだろうと思います。又実は動物は本能と衝動ばかりではないのであります。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
江戸
(
えど
)
の
民衆
(
みんしゅう
)
は、
去年
(
きょねん
)
の
吉原
(
よしわら
)
の
大火
(
たいか
)
よりも、
更
(
さら
)
に
大
(
おお
)
きな
失望
(
しつぼう
)
の
淵
(
ふち
)
に
沈
(
しず
)
んだが、
中
(
なか
)
にも
手中
(
しゅちゅう
)
の
珠
(
たま
)
を
奪
(
うば
)
われたような、
悲
(
かな
)
しみのどん
底
(
ぞこ
)
に
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
んだのは
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
釣魚もおもしろいが養魚はなほ
更
(
さら
)
佳趣の多いことで、二ヶ所の養魚場を見て、自分も一閑地を得たら魚を養ひたいナアと、羨み思ふを
免
(
まぬか
)
れなかつた。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
春日の森にひぐらしとつくつくぼうしが私の汗をなお
更
(
さら
)
誘惑する。
男鹿
(
おじか
)
はそろそろ
昂奮
(
こうふん
)
して走るべく身がまえをする。
大切な雰囲気:03 大切な雰囲気
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
これが
伏見天皇
(
ふしみてんのう
)
のお
歌
(
うた
)
です。
後鳥羽上皇
(
ごとばじようこう
)
から、も
一
(
ひと
)
つ
進
(
すゝ
)
んで、
更
(
さら
)
にその
一種
(
いつしゆ
)
の
癖
(
くせ
)
を
拔
(
ぬ
)
いた
素直
(
すなほ
)
なお
歌
(
うた
)
になつてゐます。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
斜
(
なな
)
め下には、教会堂の
尖塔
(
せんとう
)
も
鋭
(
するど
)
く、空に、つき
刺
(
さ
)
さって、この通俗的な
抒情画
(
じょじょうが
)
を、
更
(
さら
)
に、
完璧
(
かんぺき
)
なものにしていました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
◯九節において
星辰界
(
せいしんかい
)
の神秘を述べたるヨブは、十節においては
更
(
さら
)
に進みて「大なることを行い給うこと測られず、
奇
(
くす
)
しき
業
(
わざ
)
を為し給うこと数知れず」
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
と
女性
(
じよせい
)
の
無邪氣
(
むじやき
)
なる
輕薄
(
けいはく
)
を
笑
(
わら
)
ひ、
更
(
さら
)
に
一旦
(
いつたん
)
與
(
あた
)
へたる
財貨
(
ざいか
)
を
少娘
(
こむすめ
)
の
筐中
(
きようちう
)
より
奪
(
うば
)
ひて
酒亭一塲
(
しゆていいちじやう
)
の
醉夢
(
すいむ
)
に
附
(
ふ
)
するの
條
(
じよう
)
を
説
(
と
)
かしめ
遂
(
つい
)
に
再
(
ふたゝ
)
び
免職
(
めんしよく
)
になりし
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
高さは日本の富士山と同じく、一万二千三百尺であるが、シャスタ主峰は、それよりも
更
(
さら
)
に、約二千尺高く、海抜一万四千百六十二尺と註せられている。
火と氷のシャスタ山
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
先づ饅頭笠にて汚水を
酌
(
く
)
み
出
(
いだ
)
し、
更
(
さら
)
に
新鮮
(
しんせん
)
なる温泉を
湛
(
たた
)
ゆ、温
高
(
たか
)
き為め冷水を
調合
(
てうごう
)
するに又
笠
(
かさ
)
を
用
(
もち
)
ゆ、笠為に
傷
(
いた
)
むもの
多
(
おほ
)
し、抑此日や
探検
(
たんけん
)
の初日にして
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
下剋上
(
げこくじょう
)
の世であった。政治の実権が
魯侯
(
ろこう
)
からその大夫たる
季孫氏
(
きそんし
)
の手に移り、それが今や
更
(
さら
)
に季孫氏の臣たる陽虎という野心家の手に移ろうとしている。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
奧羽地方
(
おううちほう
)
では
更
(
さら
)
に
下
(
くだ
)
つて
四千七百尺
(
しせんしちひやくしやく
)
から
三千五百尺
(
さんぜんごひやくしやく
)
の
高
(
たか
)
さまでになり、
北海道
(
ほつかいどう
)
の
南部
(
なんぶ
)
では
一千五百尺
(
いつせんごひやくしやく
)
に
下
(
くだ
)
り、その
中央
(
ちゆうおう
)
では
遂
(
つひ
)
に
海水面
(
かいすいめん
)
と
一致
(
いつち
)
してゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
君ならでは人にして人に非ずと
唱
(
うた
)
はれし一門の
公達
(
きんだち
)
、
宗徒
(
むねと
)
の人々は言ふも
更
(
さら
)
なり、
華冑攝籙
(
くわちゆうせつろく
)
の
子弟
(
してい
)
の、苟も武門の蔭を覆ひに當世の榮華に誇らんずる
輩
(
やから
)
は
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
内新好
(
ないしんかう
)
が『
一目
(
ひとめ
)
土堤
(
づゝみ
)
』に
穿
(
ゑぐ
)
りし
通
(
つう
)
仕込
(
じこみ
)
の
御
(
おん
)
作者
(
さくしや
)
様方
(
さまがた
)
一連
(
いちれん
)
を云ふなれば、其
職分
(
しよくぶん
)
の
更
(
さら
)
に
重
(
おも
)
くして
且
(
か
)
つ
尊
(
たふと
)
きは
豈
(
あ
)
に
夫
(
か
)
の
扇子
(
せんす
)
で
前額
(
ひたひ
)
を
鍛
(
きた
)
へる
野
(
の
)
幇間
(
だいこ
)
の
比
(
ひ
)
ならんや。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
更
(
さら
)
に、人間よりもっとえらい者——それは何だか知らないが、もしそんな者があって、さまざまな違った星の世界を
幾
(
いく
)
つもまわり歩いて来たとしたならば
蝗の大旅行
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
かくて一方には造船所の
計画
(
けいかく
)
成
(
な
)
ると同時に、一方において
更
(
さら
)
にロセツより
申出
(
もうしい
)
でたるその言に
曰
(
いわ
)
く、日本国中には
将軍殿下
(
しょうぐんでんか
)
の
御領地
(
ごりょうち
)
も少からざることならん
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
しからばこゝならんかしこならんなど
家僕
(
かぼく
)
とはかりて
尋求
(
たづねもとめ
)
しかど
更
(
さら
)
に
音問
(
おとづれ
)
をきかず、日もはや
暮
(
くれ
)
なんとすれば
空
(
むな
)
しく家に
皈
(
かへ
)
りしか/\のよし母に
語
(
かた
)
りければ
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
春田君は
更
(
さら
)
に、ABC分解やら
伊呂波
(
いろは
)
分解や、五十音分解法などを応用して、その文章を検べに取掛った。
危し‼ 潜水艦の秘密
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
気が付かねば、まじないは効くのだとひそかに
現
(
げん
)
のあらわれるのを待っていたところ
更
(
さら
)
に効目はなかった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
寤
(
さま
)
させまゐらせんといへるを、赤穴又
頭
(
かしら
)
を
揺
(
ふ
)
りてとどめつも、
更
(
さら
)
に物をもいはでぞある。左門云ふ。既に
九〇
夜を
続
(
つ
)
ぎて
来
(
こ
)
し給ふに、心も
倦
(
う
)
み足も
労
(
つか
)
れ給ふべし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
往々
(
おうおう
)
悲歌
(
ひか
)
して
独
(
ひと
)
り
流涕
(
りゆうてい
)
す、
君山
(
くんざん
)
を
剗却
(
さんきやく
)
して
湘水
(
しようすい
)
平に
桂樹
(
けいじゆ
)
を
砍却
(
しやくきやく
)
して月
更
(
さら
)
に
明
(
あきらか
)
ならんを、
丈夫
(
じようふ
)
志有
(
こころざしあ
)
りて……
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
更
常用漢字
中学
部首:⽈
7画
“更”を含む語句
夜更
更衣
深更
着更
初更
衣更
猶更
尚更
五更
変更
更紗
殊更
三更
二更
更生
一更
更行
満更
今更
万更
...