“深更”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
しんこう63.8%
よふけ23.4%
しんかう6.4%
よふ4.3%
しんや2.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“深更”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸9.7%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
めずらしく暖い夜で、町並は霧にかくれていた。もはや深更しんこうのこととて行人の足音も聞えず、自動車の警笛の響さえない。
その夜、私たちは宿で少し酒を飲み、深更しんこうまで談笑し、月下の松島を眺める事を忘れてしまったほどであったのである。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
喉もかわいているし、泡くってはいけないと思ったので、休ましてもらいたいと思ったが、深更よふけに見ず知らずの家へ迷惑をかけるのも気のどくであった。
馬の顔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
鶴岡つるおか城下の話であるが、ある深更よふけに一人の武士が田圃路たんぼみちを通っていると、焔のない火玉ひのたまがふうわりと眼の前を通った。
鬼火を追う武士 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「二日二晩に及ぶ折檻せつかんの後、奧樣には、よく/\思ひさだめたものと相見え、昨夜、——深更しんかう、見事に生害してお果てなされた」
——天幕テントなかで、深更しんかうに、たちまふえくやうな、とりうたふやうなこゑつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「まあ、三斎屋敷のおつぼねさまとは、深更よふけのささごともなさるくせに、あたし風情とは杯もうけとられないとおっしゃるの——ほ、ほ、ほ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
自家うちに戻るといえばいいが、ようよう電車に間に合って寒い深更よふけに喜久井町に帰って来ると婆さんは、今晩もまた戻って来ないと思ってか、とっくに戸締りをして寝ていた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
深更しんやをおどろかした手紙は、それより少し前の時刻に、町の飛脚屋を叩き起して、かの秦野屋九兵衛が投じたものであることは、かさねて、説明に及びますまい。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)