深更よふ)” の例文
「まあ、三斎屋敷のおつぼねさまとは、深更よふけのささごともなさるくせに、あたし風情とは杯もうけとられないとおっしゃるの——ほ、ほ、ほ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
自家うちに戻るといえばいいが、ようよう電車に間に合って寒い深更よふけに喜久井町に帰って来ると婆さんは、今晩もまた戻って来ないと思ってか、とっくに戸締りをして寝ていた。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)