“よふけ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
夜更74.1%
深更9.5%
夜深8.6%
深夜6.9%
夜闌0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
哲郎は何かたべ物でも買って往きたいと思いだしたが、さて何を買って好いやら、この夜更よふけに何があるものやらちょと思いだせなかった。
青い紐 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
鶴岡つるおか城下の話であるが、ある深更よふけに一人の武士が田圃路たんぼみちを通っていると、焔のない火玉ひのたまがふうわりと眼の前を通った。
鬼火を追う武士 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
そよそよと流れて来る夜深よふけの風には青くさいしいの花と野草のにおいが含まれ、松のそびえた堀向ほりむこうの空から突然五位鷺ごいさぎのような鳥の声が聞えた。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そして下男の吾郎も、それから時々深夜よふけの邸内を白い背の高い幽霊が、ふわふわと歩いているのを見たといいます。博士は九月八日の深夜よふけ書斎で殺されたのです。
幽霊屋敷の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
むしなかでもばつたはかしこむしでした。このごろは、がな一にちつきのよいばんなどは、そのつきほしのひかりをたよりに夜露よつゆのとつぷりをりる夜闌よふけまで、母娘おやこでせつせとはたつてゐました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)