“よなか”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
夜半57.1%
夜中38.6%
半夜1.3%
夜更1.0%
三更1.0%
夜央0.3%
夜深0.3%
深夜0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜半よなか咽喉のどりつくような気がして、小平太は眼を覚した。気がついてみると、自分はちゃんと蒲団の上に夜着をけて寝ていた。
四十八人目 (新字新仮名) / 森田草平(著)
さうしちやうま裾湯すそゆえてねえつてつちや家族うちものことしてなあ、百姓ひやくしやうはおめえ夜中よなかまでねむんねえでつちやらんねえな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
何かの拍子で眠れなかった時、病人のうなるような声をかすかに聞いたと思い誤ったわたくしは、一ぺん半夜よなかに床を抜け出して、念のため父の枕元まくらもとまで行ってみた事があった。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お銀は蒼い顔をして、よく夜更よなかに床のうえに起きあがっていた。そしてランプの心をき立てて、夜明けの来るのを待ち遠しがっていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「これをあげるから、何人にも知らさずに、一枚は髪の中へ挟み、一枚は今晩三更よなかに焼くがいい」
雷峯塔物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
いわく、スペインおよび欧州の多くの部分では鶏が夜央よなかと日出に鳴き、ある鶏は一夜に三度、すなわち二時また三時と真夜中と曙光が見える四分の一時前とに鳴く。
そのころから、父親はよく夢中で新聞の相場附けを見たり、夜深よなかに外へ飛び出して、空とにらめッくらをしたりしていた。朝から出て行って、一日帰らないようなこともあった。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「鷭だよ、鷭だよ、お次の鷭だよ、晩の鷭だよ、月の鷭だよ、深夜よなかの鷭だよ、トンとつけてトントントンとサ、おっとそいつは水鶏くいなだ、水鶏だ、トントントトン。」と下りてく。
鷭狩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)