“挑”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いど89.3%
かか5.9%
1.2%
かゝ1.2%
0.6%
おだ0.6%
ちょう0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
呼びかけ、いどみかけ、おどしつける——しかし「もう一つの」は、きまった時間にでなければこたえない。で、それも答えるのではない。
水に臨んでは、母屋おもやの亭館が建ちならび、山にっては、あるじの書楼が、窓を放って、いましがた、灯をかかげたらしく、新鮮なまたたきを見せていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お銀は蒼い顔をして、よく夜更よなかに床のうえに起きあがっていた。そしてランプの心をき立てて、夜明けの来るのを待ち遠しがっていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
すゐともしびかゝげて怪しげなる薄色の折紙をりがみ延べ擴げ、命毛いのちげの細々と認むる小筆の運び絶間なく、卷いてはかへす思案の胸に、果は太息といきと共に封じ納むる文の數々かず/\、燈の光に宛名を見れば
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
しばらくして、浦子はぎょくぼやの洋燈ランプの心をげて、あかるくなったともしに、宝石輝く指のさきを、ちょっとびんに触ったが、あらためてまた掻上かきあげる。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
其一群の中には、屹度きつと今夜が始めて……といふ初陣うひぢんの者が一人は居るので、それをおだてたり、それをからかつたり、散々飜弄ひやかしながら歩いて行くのが何よりも楽みに其頃は思つて居た。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
繍線ちょうし来たりて生くるを写すに似たり
連城 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
床の間の掛軸が、バラ/\と吹き捲られて、ね落ちると、ガタ/\と烈しい音がして、鴨居の額が落ちる、六曲の金屏風が吹き倒される。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)