“命毛”の読み方と例文
読み方割合
いのちげ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれども要するに、それはみんな身過ぎ世過ぎである。川竹の憂き身をかこつ哥沢うたざわの糸より細き筆の命毛いのちげ渡世とせいにする是非なさ……オット大変忘れたり。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
摺流すりながす音もはゞか卷紙まきがみへ思ふ事さへ云々しか/″\かきつゞる身生命毛いのちげの筆より先へ切てゆく冥途めいどの旅と死出の空我身は今ぞ亡き者と覺悟をしても親と子がたゞ二人なる此住居然るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
男女なんにょの間変らじと一言ひとことかわせば一生変るまじきはもとよりなるを、小賢こさかしき祈誓三昧きしょうさんまい、誠少き命毛いのちげなさけは薄き墨含ませて、文句を飾り色めかす腹のうちなげかわしと昔の人のいいたるが
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)