“慨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なげ81.3%
かこ4.7%
ウレタ3.1%
がい3.1%
なげか3.1%
うれた1.6%
うたて1.6%
うれ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
若い警官たちは、めいめいの心の中に、このなげき悲しむ麗人を慰めるため、一刻も早く犯人を捕えたいものだと思わぬ者はなかった。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ぬる湯一杯たまはらん情もなきに、まして他人のれにかかこつべき、月の十日にははさまが御墓おんはかまゐりを谷中やなかの寺に楽しみて、しきみ線香それぞれの供へ物もまだ終らぬに
ゆく雲 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
此は、彼自身も自覚してゐたやうに、国事を憂ふるに値せぬ町人だつたに繋らず、其でも相応に、ウレタみ、歎きはしてゐたのである。
橘曙覧評伝 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ちょっとでも公卿衆方が時世にがいして、兵書をお講じになられたり、武備についてお心を配られると、すぐに迫害をなさいますようで。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
兎角なげかはしく、苦々にが/\しき事のみ耳目に觸れて、平和の世のなか面白からず、あはれ何處にても一戰ひといくさの起れかし、いでや二十餘年の風雨に鍛へし我が技倆を顯はして
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
ここにその兄に白して曰はく、「は伊豆志袁登賣を得つ」といふ。ここにその兄、弟の婚ひつることをうれたみて、そのうれづくの物を償はざりき。
散りこすなゆめと言ひつゝ、幾許こゝだくるものを、うたてきやしこほとゝぎす、あかつき心悲うらかなしきに、追へど追へど尚ほし鳴きて、いたづらに地に散らせれば、すべをなみぢて手折たをりて、見ませ吾姉子あぎもこ
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
おもむろに庭樹をながめて奇句を吐かんとするものは此家の老畸人、剣をなでし時事をうれふるものは蒼海、天を仰ぎ流星を数ふるものは我れ、この三箇みたり一室に同臥同起して、玉兎ぎよくと幾度いくたび
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)