“瞰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
み56.4%
にら14.5%
のぞ12.7%
なが5.5%
うかゞ1.8%
ね1.8%
ねら1.8%
みおろ1.8%
みまわ1.8%
ミ1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あの絶頂に登りつめて瞰(み)おろしたら、四里四方の敵軍は眼の下で、小荷駄を運ぶ馬の鬣毛(たてがみ)のそよぐまでもありありと窺わるるのじゃ。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「あきれてしまふ、ねえ、この人は!」女は斜めにそり返つて、男を瞰(にら)む樣に見ながら、「わたし、あなたを見そこなつてゐた。」
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
鳥巣庵の窓から余を瞰(のぞ)いて居た女の影と云い、鳥巣庵が急に塞った所と云い、それこれを考え合わすと何だか偶然ではなさそうにも思われる。
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
おもむろに庭樹を瞰(なが)めて奇句を吐かんとするものは此家の老畸人、剣を撫(なで)し時事を慨(うれ)ふるものは蒼海、天を仰ぎ流星を数ふるものは我れ、この三箇(みたり)一室に同臥同起して、玉兎(ぎよくと)幾度(いくたび)か罅(か)け
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
僅(わづか)に瞰(うかゞ)ひ得たり、この芙蓉の根部より匐枝(ふくし)を出だしたる如き、宝永山の、鮮やかに黒紫色に凝固せるを、西へと落ちたる冷魂の、銹(さび)におぼろなる弧線を引いて
霧の不二、月の不二 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)
が、その時投げ出していた足をお重の鼻先に突き出して黙ってお重を瞰(ね)めつけていた。お重は顔を赤くして、口を堅く引き緊(し)めて、じっとそれを見ていたが漸く怒を圧(おさ)え得たらしい様子で
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
餌を瞰(ねら)いまた笛声を聴く時、それを拡げると喉が団扇(うちわ)のように脹(ふく)れ、惣身(そうみ)の三分一を竪(た)てて嘯(うそぶ)く、その状極めて畏敬すべきところからインド人古来これを神とし、今も卑民のほかこれを殺さず。
頂なる少年は、これを俯(ふ)し瞰(みおろ)して、雲の桟橋(かけはし)のなきに失望した。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
路地を、行願寺の門の外までも出て、通(とおり)の前後を瞰(みまわ)した。人通りも、もうなくなる。……釣には行つても、めつたにあけた事のない男だから、余計に気に懸けて帰りを待つのに。
夜釣 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)