“みおろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
見下44.9%
瞰下38.5%
俯瞰5.9%
下瞰3.2%
視下2.7%
見卸1.1%
見降1.1%
見落0.5%
看卸0.5%
0.5%
瞰望0.5%
軽視0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ちょうど真蔵が窓から見下みおろした時は土竈炭どがまずみたもとに入れ佐倉炭さくらを前掛に包んで左の手でおさえ、更に一個ひとつ取ろうとするところであったが
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
みち一縷いちる、危い崖の上をめぐって深い谿を瞰下みおろしながら行くのである。ちょっとの注意もゆるめられない径だ、谿の中には一木も一草もない。
木曽御嶽の両面 (新字新仮名) / 吉江喬松(著)
「そら! また見えた、橋桁はしげたに引っかかったよ。」と、欄杆に手をけて、自由に川中を俯瞰みおろし得る御用聴ごようききらしい小僧こぞうが、自分の形勝の位置をほこるかのように
死者を嗤う (新字新仮名) / 菊池寛(著)
ある日姫と我等とは、荒れたる神巫寺みこでらの傍に立ちて雲霧の如く漲り下る二條の大瀑たいばく下瞰みおろしたり。
とお隅は源の姿を盗むように視下みおろして、あおざめた口唇くちびるえみを浮べました。源は地団太踏んで
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
そして気の無さそうに往来を見卸みおろした。
田舎 (新字新仮名) / マルセル・プレヴォー(著)
或る日の夕暮、彼は露台バルコオンへ昇って暮れて行く下の海を見降みおろしながら考えた。
花園の思想 (新字新仮名) / 横光利一(著)
この町は荒海のほとりにある。石油がでるので斯様こんな辺鄙へんぴな処にも小さな町が出来たのだ。北の空の冴え冴えしいのは見落みおろす下には真青な海があるからのせいもある。北風の強いのも海が近いからである。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
海が足許あしもとまで来ているように真蒼まっさおな日本海を左手に見落みおろした。下の製造場を眺めると、家根が低く、平たく、白くなっていて自分の上って来た細い梯子は中程から霞んで消えて下の方は見えなかった。
暗い空 (新字新仮名) / 小川未明(著)
すべてのさま唯だ一つの四阿屋あづまやめきたり。細きおばしまをば、こゝに野生したる蘆薈ろくわいの、太く堅き葉にて援けたり。これ自然のまがきなり。看卸みおろせば深き湖の面いと靜なり。
頂なる少年は、これをみおろして、雲の桟橋かけはしのなきに失望した。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三等の食堂は一段上になっているので、下の雑居室は真上からそのまま瞰望みおろせるのである。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
なにかくしましょう、わたくしはそのとき、このひとには、こいするひとの、本当ほんとう気持きもちわからないと、こころうちたいへんにあなたを軽視みおろしたのでございます。