“辺鄙”のいろいろな読み方と例文
旧字:邊鄙
読み方割合
へんぴ93.3%
へんひ1.7%
ひな1.7%
へんび1.7%
ゐなか0.8%
いなか0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
木曾の王滝おうたき、西野、末川の辺鄙へんぴな村々、むかぐん附知村つけちむらあたりからも人足を繰り上げて、継立ての困難をしのいでいることを告げた。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
嗟乎あゝをしむべし、かゝる美人びじんこの辺鄙へんひうまれ、昏庸頑夫こんようぐわんふの妻となり、巧妻こうさいつね拙夫せつふともなはれてねふり、荊棘けいきよくともくさらん事あはれむたえたり。
心配の最中でありながら千利休を師として茶事さじを学んで、秀吉をして「辺鄙ひなの都人」だと嘆賞させたが、氏郷は早くより茶道を愛して、しかも利休門下の高足であった。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
桟敷さじきのこゝかしこに欲然もえたつやうな毛氈まうせんをかけ、うしろに彩色画さいしきゑ屏風びやうぶをたてしはけふのはれなり。四五人の婦みな綿帽子わたばうししたるは辺鄙へんびに古風をうしなはざる也。
此の石榴市といふは、二一六泊瀬はつせの寺ちかき所なりき。二一七仏の御中には泊瀬なんあらたなる事を、唐土もろこしまでも聞えたるとて、都より辺鄙ゐなかよりまうづる人の、春はことに多かりけり。
年来としごろ大内住うちずみに、辺鄙いなかの人ははたうるさくまさん、かのおんわたりにては、何の中将、宰相などいうに添いぶし給うらん、今更にくくこそおぼゆれ」などと云ってたわむれかかると
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)