“へんぴ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
辺鄙86.2%
邊鄙4.6%
偏僻3.1%
偏鄙2.3%
辺僻2.3%
片鄙0.8%
褊裨0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
つまり辺鄙へんぴの地に稀に行われて居るので大抵はそういう事はしない方が多いのです。どうか憎まれでもするとそういう事をやられる。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
これなん當時たうじ國色こくしよく大將軍梁冀たいしやうぐんりやうきつま孫壽夫人そんじゆふじん一流いちりう媚態びたいよりでて、天下てんかあまねく、狹土けふど邊鄙へんぴおよびたるなり
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そこで鈴川主水は義弟の佐野松と、愛弟子の杵太郎と、下男の猪之松だけを從へ、偏僻へんぴな千駄木螢澤ほたるざはに隱れて、再び芽の出る日を待つてゐたのでせう。
本社との聯絡れんらくうとくなれば、弊害の次第に激化するのも当然であるが、それが官権によって制御せられず、実際にまた偏鄙へんぴの土地であるだけに、悪いたくらみを働かすほどの誘惑もなく
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
あのにぎやかな日本橋の真中まんなかにあった私の家が、こう云う辺僻へんぴな片田舎へ引っ越さなければならなくなってしまったこと、昨日に変る急激な我が家の悲運
母を恋うる記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
豆腐も駄菓子もつッくるみに売っている、天井につるした蕃椒とうがらしの方が、よりは真赤まっかに目に立つてッた、しなびた店で、ほだ同然のにしんに、山家片鄙へんぴはおきまりの石斑魚いわな煮浸にびたし
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大臣おおおみ大連おおむらじこれが褊裨へんぴたり。いまだかつて別に将帥を置かざるなり。あにまたいわゆる武門武士なる者あらんや、といいしごとく、吾人わが王朝の歴史においてこれを見るなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)