“皺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しわ92.7%
じわ2.2%
しは1.6%
しな1.4%
しか1.3%
シワ0.2%
しわよ0.2%
ひそ0.2%
ひだ0.2%
0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうして翌朝になって銘々めいめい絹帷子きぬかたびらを調べ「少しもしわのよらざる女一人有」りそれを下手人とにらむというのがある。
西鶴と科学 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「あの、笑靨えくぼよりは、口のはたの処に、たてにちょいとしたしわが寄って、それが本当に可哀うございましたの」と、お金が云った。
心中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
ほっとしたらしく、女はあでやかにほほえんだ。思わずつり込まれて、老爺もしわだらけの顔をほころばせたほど、それは魅力に富んだ笑いであった。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
渾名をたこと云って、ちょんぼりと目の丸い、額に見上げじわ夥多おびただしいおんなで、主税が玄関に居た頃勤めた女中おさんどん。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
垢染あかじみて、貧乏じわのおびただしくたたまれた、渋紙のような頬げたに、平手で押し拭われたらしい涙のあとが濡れたままで残っている。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
また首の具合がいかにも亀の如くに、伸したり縮めたりする動作に適して長くぬらくらとして、喉の中央には深い横じわが幾筋も刻まれていた。
鬼涙村 (新字新仮名) / 牧野信一(著)
やれおかへりかと母親はゝおやむかふて、流石さすが初孫ういまごうれしきは、ほうのあたりのしはにもしるく
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今にかへり給はぬはもしやなだれにといひてまゆしはめければ、親子は心あたりときゝてたのみし事もあんにたがひて、顔見あはせなみださしぐむばかり也。
其内そのうちこしはさんだ、煮染にしめたやうな、なへ/\の手拭てぬぐひいて克明こくめいきざんだひたひしはあせいて
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鳥打帽とりうちぼうしなびた上へ手拭てぬぐいの頬かむりぐらいでは追着おッつかない、早や十月の声を聞いていたから、護身用の扇子せんすも持たぬ。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ばちあはせる一どうこゑしなびてせたのどからにごつたこゑであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
しなびた馬面うまづらに大きな目がでれりとして薄気味悪い男だった。
光の中に (新字新仮名) / 金史良(著)
重な原因というはすなわち人情の二字、この二字に覊絆しばられて文三は心ならずも尚お園田の家に顔をしかめながらとどまッている。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
日頃新平民と言へば、直に顔をしかめるやうな手合にすら、蓮太郎ばかりは痛み惜まれたので、殊に其悲惨な最後が深い同情の念を起させた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
奥から続いて出て来たのは、おせいという酌婦、色白の丸顔で、お葉よりも二三歳ふたつみつ若く見えた。これも幾らか酔っているらしい、苦しそうに顔をしかめて、
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
押勝の眉は集つて来て、シワ一つよせぬ美しい、この老いの見えぬ貴人の顔も、思ひなし、ひずんで見えた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
以前の声が、まう一層シワがれた響きで、話をひきとつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
帷帳トバリがふはと、風を含んだ様にシワだむ。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
汝我れをしわよらしめたり
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
しばらくして頭を上げて右の手で煙管を探ッたが、あえて煙草をもうでもなく、顔の色は沈み、眉はひそみ、深く物を思うていである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
四肢のしなやかさは柔らかい衣のひだにも腕や手の円さにも十分現わされていながら、しかもその底に強剛な意力のひらめきを持っている。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「今晩もかい。よく来るじゃアないか」と、小万は小声で言ッて眉をせた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)