“皺枯”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しわが67.4%
しゃが16.3%
しゃがれ4.7%
しやが4.7%
しわがれ4.7%
しはが2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「案外智恵のない男だねえ——」と黒布の人物は皺枯しわがれ声でいった。皺枯れ声だったけれども、確かに女性の声に紛れもなかった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
やや皺枯しゃがれた年輩ものの声と、もう一つは、たしかに聴き覚えのある、あの雪之丞の和らかく美しい声が、ひそひそとささやき合っているのだった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
馬作は尾籠びろうなお話だがげろ/\吐きまして、腹はしまいには何もないので、物も出ませんで、皺枯しゃがれっ声になりまして南無金比羅大権現、南無水天宮
たしかに其は父の声で——皺枯しやがれた中にも威厳のある父の声で、あの深い烏帽子ゑぼしだけ谷間たにあひから、遠くの飯山に居る丑松を呼ぶやうに聞えた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
上當年五十三歳に相成候と云たるてい顏色がんしよくことほか痩衰やせおとろにくおちほねあらはれこゑ皺枯しわがれて高くあげず何樣數日手強てづよき拷問に掛りし樣子なり大岡殿此體このてい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
乃ち皺枯しはがれた父の口小言、第一に目にしたものは、何時もたすきを外した事のない母の姿で、無邪気な幼心に、父と云ふものは恐いもの、母と云ふものはいたましいものだと云ふ考へが
一月一日 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)