トップ
>
皺枯
>
しゃが
ふりがな文庫
“
皺枯
(
しゃが
)” の例文
やや
皺枯
(
しゃが
)
れた年輩ものの声と、もう一つは、たしかに聴き覚えのある、あの雪之丞の和らかく美しい声が、ひそひそと
囁
(
ささや
)
き合っているのだった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
この声はさっきの「おい」よりも少し
皺枯
(
しゃが
)
れていたから、大方別人だろうと鑑定した。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
富蔵は
皺枯
(
しゃが
)
れ声ですらすらと弁じながら、飽くまでも知らないと強情を張った。亀吉はとうとう腹を立てて、喧嘩腰でしきりに問い落そうと試みたが、彼はどうしても口をあかなかった。
半七捕物帳:17 三河万歳
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
皺枯
(
しゃが
)
れ声で恋を語るなどは、考えただけでも身ぶるいものではありませんか。
法悦クラブ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
その中でお爺さんが真先に
皺枯
(
しゃが
)
れ声で口を利いた——
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
▼ もっと見る
と、
皺枯
(
しゃが
)
れ声でいった。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
吉原冠り、下ろし立ての
麻裏
(
あさうら
)
の音もなく、平馬の後からついて行く闇太郎——、河岸は暗し、頃は真夜中。いい気持そうに、
弥蔵
(
やぞう
)
をきめて、いくらか、
皺枯
(
しゃが
)
れた、
錆
(
さび
)
た調子で
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
ただしその声は
旅鴉
(
たびがらす
)
のごとく
皺枯
(
しゃが
)
れておったので、せっかくの
風采
(
ふうさい
)
も
大
(
おおい
)
に下落したように感ぜられたから、いわゆる源ちゃんなるもののいかなる人なるかを振り向いて見るも面倒になって
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
皺枯
(
しゃが
)
れた声で——
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
奇怪なことを銀杏の樹蔭からいいかけられて立ちすくんだうら若い女形——胸の
動悸
(
どうき
)
をしずめようと、するかのように、白い手で、乳のあたりを押えたが、つづけて、
皺枯
(
しゃが
)
れ声が、言いつづける。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
皺
漢検1級
部首:⽪
15画
枯
常用漢字
中学
部首:⽊
9画
“皺枯”で始まる語句
皺枯声
皺枯聲