“旅鴉”の読み方と例文
読み方割合
たびがらす100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なにしろあっし達は旅鴉たびがらすのことであり、そうそう同じ土地にいつまでゴロゴロして、出奔しゅっぽんした奴のことを考えているいとまがないのでネ。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
路は悪いが甲州街道を身延みのぶまで出にやなら無えから、忘れもし無え、極月ごくげつの十一日、四谷の荒木町を振り出しに、とうとう旅鴉たびがらすに身をやつしたが、なりは手前てめえも知つてた通り
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ただしその声は旅鴉たびがらすのごとく皺枯しゃがれておったので、せっかくの風采ふうさいおおいに下落したように感ぜられたから、いわゆる源ちゃんなるもののいかなる人なるかを振り向いて見るも面倒になって
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)