“皺枯:しわが” の例文
“皺枯:しわが”を含む作品の著者(上位)作品数
海野十三8
野村胡堂6
泉鏡花3
岡本綺堂1
島崎藤村1
“皺枯:しわが”を含む作品のジャンル比率
文学 > 文学 > 叢書 全集 選集4.8%
文学 > 英米文学 > 小説 物語1.7%
芸術・美術 > 演劇 > 演劇史 各国の演劇1.6%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「飛んでもない、夢にも見覺えのない顏でしたよ。聲は少し皺枯しわがれてをりましたが、まるで繪に描いたやうな美しい顏で」
銭形平次捕物控:239 群盗 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「飛んでもない、夢にも見覚えのない顔でしたよ。声は少し皺枯しわがれて居りましたが、まるで絵に描いたような美しい顔で」
銭形平次捕物控:239 群盗 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「オイ星宮君、十一時がきた!」と、此の時横合いから口を入れた大蘆原軍医の声は、調子外ちょうしはずれに皺枯しわがれていた。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「待て、待ちたまえ」と、皺枯しわがれ声が、人々の背後にあった。雑役夫たちは、麻袋をふたたび氷の上に置いた。皺枯れ声の主は、
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
夕方迎いに来たのは、顔はろくに見なかったが、白粉おしろいの濃い、皺枯しわがれた声で、首に古傷があったそうですよ。
銭形平次捕物控:050 碁敵 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「案外智恵のない男だねえ——」と黒布の人物は皺枯しわがれ声でいった。皺枯れ声だったけれども、確かに女性の声に紛れもなかった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかも降続きました五月雨さみだれのことで、さらわれて参りましたと同一おんなじ夜だと申しますが、皺枯しわがれた声をして、
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
——私が待ち受けていたのは、正直に言うともっと光沢つやの無い、単調で眠そうな、貧しそうに震えた、醜く皺枯しわがれた老婆であった。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「あッ、——」とウルランド氏は顔色をかえた。それはまさに、例の楊博士ヤンはかせ皺枯しわがごえに相違なかったのである。
見えざる敵 (新字新仮名) / 海野十三(著)
さらにまた、その叫び声にまじりて、闘える犬のうなるがごとき皺枯しわがれたるすさまじき声をも聞けり。
聲は藝人らしく少し皺枯しわがれたアルトですが、この女には何にか言ひやうのない、特異なものがあります。
そういう父や母の姿にひきかえて、おばあさんの姿は、そのなつかしい顔の一つ一つの線から皺枯しわがれた声まで、私の裡に生き生きと残っている。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
一郎は声をかぎりに叫ぼうとしたが、咽喉がカラカラに乾いて、皺枯しわがれた弱い声しか出なかった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「あぶない!」僕は、引止めたが、それには耳をさず、はや間近に迫った一隊に向って、皺枯しわがれ声だが、しかし太い力のこもった声で呼びかけた。
怪奇人造島 (新字新仮名) / 寺島柾史(著)
與之松はヘタヘタと崩折れると、平次と金太のすそを掴んで皺枯しわがれ聲を振りしぼるのです。
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
(御新姐様や、御身おみア、すいたらしい人じゃでの、安く、なかまの値で進ぜるぞい。)ッて、皺枯しわがれた声でそう云うとね、ぶんと頭へ響いたんです。
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仁右衛門は殺人者が生き残った者を脅かすような低い皺枯しわがれた声でたしなめた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「航空長、本船を、浦塩ウラジオへ、向けろ」大佐は、皺枯しわがれ声で、叫んだ。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「ははあ」と私は、私自身の死んだことを証明するこの奇怪な書類を見おわってから、狐につままれたような気もちで、しかも少なからず不快な気もちで皺枯しわがれ声で言った。
私はかうして死んだ! (新字新仮名) / 平林初之輔(著)
そして皺枯しわがれた声でおめき叫びながら雨の中を帰って行ってしまった。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
低い、元気の無い、皺枯しわがれた声がして、駕の垂れが、微かに動いた。
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「さて、飲もう。手酌でよし。ここで舞なぞは願い下げじゃ。せめてお題目の太鼓にさっしゃい。ふあはははは、」となぜか皺枯しわがれた高笑い、この時ばかり天井にどっと響いた。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「妻だ。妻の死体だッ」彼の声はみにく皺枯しわがれていた。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
「オーさん、そのことは黙っていた方がいいことよ」とこの話をきいてから死人のように真蒼まっさおになっている鈴江が、皺枯しわがれた声を無理に咽喉のどからはき出すようにして叫んだ。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
面倒なりよきに計らえと皺枯しわがれたる御声にて云いたまわんは知れてあれど、恐る恐る円道ある時、おぼさるる用途みちもやと伺いしに、塔を建てよとただ一言云われしぎり振り向きもしたまわず
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
老人の皺枯しわがれた声が終るか終らないうちに、
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
帆村の声が、別人のように皺枯しわがれた。
千早館の迷路 (新字新仮名) / 海野十三(著)
心はれて皺枯しわがれて、
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
その扮装は散髪ざんぎり頭に白のうしろ鉢巻をして、黒木綿の筒袖つつそで小倉こくら滝縞たきじまはかまをはいて、陣羽織を着て日の丸の扇をひらいて、大きな口をあいて皺枯しわがれ声を振り立てて、かのオッペケ節を歌うのである。
明治劇談 ランプの下にて (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
髮の毛の欝陶うつたうしいほど多い、ブルース唄ひのやうに少し聲の皺枯しわがれた、そのくせ血色があざやかで、滿身こと/″\こびと肉感とででつちあげたやうなお染は、百足屋の内儀お貞の、淋しくつゝましく、病的にさへ見える弱々しさと、まさに絶好の對照を成すものでした。
毎朝まいちょう役所へ出勤する前、崖の中腹ちゅうふくに的を置いて古井戸の柳を脊にして、凉しい夏の朝風あさかぜ弓弦ゆみづるならすを例としたがもなく秋が来て、朝寒あささむある日、片肌脱かたはだぬぎの父は弓を手にしたまま、あわただしく崖の小道を馳上かけあがって来て、皺枯しわがれた大声に、
(新字新仮名) / 永井荷風(著)