“智慧”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ちえ80.1%
ちゑ17.1%
ぢえ0.9%
チヱ0.5%
ちま0.5%
ぢゑ0.5%
ウィスドム0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは若くて美しいと思われた人も、しばらく交際していて、智慧ちえの足らぬのが暴露してみると、その美貌びぼうはいつか忘れられてしまう。
安井夫人 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
夏目なつめ先生はペン皿の代りに煎茶せんちや茶箕ちやみを使つてゐられた。僕は早速さつそくその智慧ちゑを学んで、僕の家に伝はつた紫檀したんの茶箕をペン皿にした。
身のまはり (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「あの苦沙弥と云う変物へんぶつが、どう云う訳か水島に智慧ぢえをするので、あの金田の娘を貰ってはかんなどとほのめかすそうだ——なあ鼻子そうだな」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
内典・外典其上に又、大日本オホヤマトびとなる父の書いたモン。指から腕、腕から胸、胸から又心へ、沁み/″\と深く、魂を育てる智慧チヱの這入つて行くのを、覚えたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
昇は所謂いわゆる才子で、すこぶ智慧ちま才覚が有ッてまたく智慧才覚を鼻に懸ける。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
お兼は聞豫て吾助に入智慧ぢゑされし事なれば宅兵衞にむかひ今更斯なる上は何共なんとも詮方せんかたなし何れへ成とも連退つれのいて是非共女房にして給はるべしといはれて宅兵衞は五十をえて十六七の娘を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
吾人の所謂いはゆる才子とは何ぞや。智慧ウィスドムを有する人也。智慧とは何ぞや、内より発する者也、外より来る者に非る也。事物の真に達する者なり、其表面を瞥見べつけんするに止る者に非る也。
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)