“隠居所”の読み方と例文
旧字:隱居所
読み方割合
いんきょじょ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今はその慧林寺の境内にある望月庵ぼうげつあんという、前管長——この時にはもう管長を辞していた——の隠居所いんきょじょにいるのだった。
つのらせていたところ父親九兵衛が老後の用意に天下茶屋てんがぢゃや閑静かんせいな場所を選び葛家葺くずやぶき隠居所いんきょじょを建て十数株のうめの古木を庭園に取り込んであったがある年の如月きさらぎにここで梅見のうたげもよお
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
六郎が祖父は隠居所いんきょじょにありしが、馳出はせいでて門のあきたるを見て、外なる狼藉者ろうぜきものを入れじと、門をとざさんとせしが、白刃振りてせまられ、いきおいてきしがたしとやおもいけん、また隠居所に入りぬ。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)