“隠宅”の読み方と例文
旧字:隱宅
読み方割合
いんたく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そしてもなく、わたくし住宅すまいとして、うみから二三ちょう引込ひっこんだ、小高こだかおかに、土塀どべいをめぐらした、ささやかな隠宅いんたくててくださいました。
でも、根気よく、構えのいい武家屋敷や、でなければ、豪家の隠宅いんたく——蔵前くらまえ札差ふださし——そんな所を、よって持ちあるいた。
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
路地の最も長くまた最も錯雑して、恰も迷宮の観あるは葭町よしちやうの芸者家町であらう。路地の内に蔵造くらづくりの質屋もあれば有徳うとくな人の隠宅いんたくらしい板塀も見える。
路地 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)