路地ろじ
鉄橋と渡船との比較からこゝに思起されるのは立派な表通の街路に対して其の間々に隠れてゐる路地の興味である。擬造西洋館の商店並び立つ表通は丁度電車の往来する鉄橋の趣に等しい。それに反して日陰の薄暗い路地は恰も渡船の物哀にして情味の深きに似てゐる …
作品に特徴的な語句
おのづ 一層ひとしほ なまめか おのづか ぎは こゝろみ 物哀ものあはれ あきらか 打交うちまじは ひゞき 狭間ひあはひ かく あるひ 表通おもてどほり 午睡ごすゐ 向合むかひあ あぢは あは 定席ぢやうせき すべ 思起おもひおこ おほやけ 拙作せつさく 矢張やはり なほ 果敢はかな かど 此方こなた 渡船わたしぶね 行灯あんどう へん けだ はるか 張扇はりあふぎ 丁度ちやうど 葭町よしちやう ゆふべ もとづ 地響ぢひゞき いへど うち 蔵造くらづくり 行止ゆきどま 湿しめ 見出みいだ 並樹なみき 豊国とよくに おもむき 軒並のきなみ 這入はい 隠宅いんたく 一人ひとり まさ 到処いたるところ 咳嗽せき すくな 彼方かなた 往来ゆきき あたか 有徳うとく いま 楽境らくきやう 中橋なかばし 住古すみふる 渾然こんぜん 処嫌ところきら 溝板どぶいた くらゐ 今日こんにち 篇中へんちゆう しか ひと