“咳嗽”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せき77.4%
がいそう12.9%
くしゃみ3.2%
しはぶき3.2%
3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
兼太郎は返事に困って出もせぬ咳嗽せきにまぎらした。いつか酒屋の四つ角をまがって電車どおりへ出ようとする真直まっすぐな広い往来を歩いている。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
六日に至って咳嗽がいそう甚しく、発熱して就蓐じゅじょくし、つい加答児カタル性肺炎のために命をおとした。嗣子終吉さんは今の下渋谷しもしぶやの家に移った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
それは、咳嗽菽豆くしゃみそらまめに似た清潔好きな小草で、ごみがはいると咳嗽くしゃみのようなガスをだす。そして、いきんだように葉をまっ赤にして、しばらく、ぜいぜい呼吸いきをきるように茎をうごかしている。
人外魔境:03 天母峰 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
わが 咳嗽しはぶきのかげ
(新字旧仮名) / 高祖保(著)
「いいパオだ! 小栓——お前、そんなに咳嗽いてはいかんぞ、いいパオだ!」
(新字新仮名) / 魯迅(著)