“せき”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:セキ
語句割合
34.1%
14.1%
12.5%
9.7%
6.6%
4.1%
3.6%
咳嗽2.6%
2.1%
1.8%
1.7%
1.0%
1.0%
0.7%
0.6%
0.3%
咳声0.3%
0.3%
0.1%
寄席0.1%
焦心0.1%
ヶ関0.1%
0.1%
0.1%
咳漱0.1%
0.1%
国籍0.1%
堰切0.1%
席亭0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
空席0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
観桜席0.1%
謦欬0.1%
0.1%
責任0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
源氏は内心に喜びながら宮のお居間を辞して出ようとすると、また一人の老人らしいせきをしながら御簾みすぎわに寄って来る人があった。
源氏物語:20 朝顔 (新字新仮名) / 紫式部(著)
御所へ水を入れるところのせきの蔭から、物をも言わずおどり出でた三人の男がある。大業物おおわざものを手にして、かお身体からだも真黒で包んでいた。
こういう有様であるから、とても普通なみの小供のように一通りの職業を習得するは思いも寄らず、糊口くちすぎをすることがせきやまでありました。
彼等は風のやうな拍手を浴せ、せきとして私の発声を待つた。——なるほど、慣れたらこれに限るだらう——不図私は、そう思つた。
歌へる日まで (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
ほうぼうからうらやましがるようなこえこった。小泉こいずみは、うれしそうに、またすまなさそうに、自分じぶんせきへもどったのであります。
生きぬく力 (新字新仮名) / 小川未明(著)
婦人は間もなく健康になって、かの一せきはなし土産みやげに都に帰られた。逗子の秋は寂しくなる。話の印象はいつまでも消えない。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
崩れた石垣の上から覗くと、そこにはとまを掛けた船が一せき、人が居るとも見えず、上げ潮に揺られて、ユラユラと岸をなぶっております。
うめきとも笑いとも咳嗽せきともわからぬ声を発したかと思うと、彼は突然その唇を紫色に変え、がくりとして看護婦の腕にもたれかかった。
肉腫 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
風呂敷包のなかから南蛮鍜なんばんきたえの鎖帷子くさりかたびら筋金すじがねの入りたる鉢巻をして、藤四郎吉光とうしろうよしみつの一刀にせき兼元かねもと無銘摺むめいすり上げの差添さしぞえを差し、合口あいくちを一本呑んで
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
学校の先生にはない。しかし、先生でなくてもいいわけだ。いや、先生でない方が却っていいんだよ。一つの学校にせき
次郎物語:04 第四部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
周延ちかのぶが描いた千代田の大奥と云う三枚続きの絵にあるようなみず築山つきやま、雪見燈籠、瀬戸物の鶴、洗いせきなどがお誂い向きに配置されて
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
その他哥舒翰かじょかんがその馬せき将軍の背に朝章ちょうしょうを加え、宋徽宗きそうがその馬に竜驤りゅうじょう将軍を賜うたなど支那にすこぶる例多いが
とばりを垂れたる六層の觀棚さじきも、せきあまりに大いにして客常に少ければ、却りて我をして一種の寂寥と沈鬱とを覺えしめき。
「まあ姐さん、せきなさんな。着ける所は眼の先だ。がその前にご相談、厭でもいて貰わなけりゃあならねえ」
銅銭会事変 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
 幕府の三せき布衣ほい、国を憂ふることをゆるさず。その是非、われつて弁争せざるなり。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
私は小説をかくときは一番ぴったりしたテーマでしかかけないようで、そのために妙に自分で自分の足の先にせきをつくりつつ進行するような意識のせきがあって、これはフロイド的現象なのね。
真っ黒な煙を、天飇てんぴょうから、たたきつけてくる。十八公麿は、車の中で、しきりと、咳声せきをして苦しがっていた。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
漢の初期のせき夫人が呂后りょこうさいなまれたようなことまではなくても、必ず世間の嘲笑ちょうしょうを負わねばならぬ人に自分はなるに違いないと中宮はお思いになるのである。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
昨日はおんなを買った。せきは未だ止まぬ。家を変えねばならぬ。東京へ帰ろう。小説「裸婦」にかかるだろう。暫くは又浄書だ、ばかなことだ。末子を嫁に貰おう。
土堤の方まで歩いた、秋日和であったが強い北風が吹いていた。今は夜である、風は未だ吹き続いている。「彼」にステエトメントをしようと思う。せきはどうやら止ったらしい。
今日こんにちより怪談のお話を申上げまするが、怪談ばなしと申すは近来大きにすたりまして、余り寄席せきで致す者もございません、と申すものは、幽霊と云うものは無い
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さて一席申上げます、久しく休み居りました累ヶ淵のお話は、わたくし昨冬さくふゆより咽喉加答児いんこうかたるでさっぱり音声が出ませんから、寄席せきを休む様な訳で、なれども此の程は大分咽喉加答児の方はうございますが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
新九郎は焦心せきだした。来国俊の刀も折れろ、後藤祐乗ごとうゆうじょうつばも割れろとばかり、むッと渾力こんりきを柄にあつめて最後の一押し。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自斎は二度までも、焦心せきこむ新九郎の出足をくじいて
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長門ながと赤間あかまヶ関せき、播州の室津などはそれである。ことに室津は都近い船着きであったから、遊里の体裁ていさいをなすまでに繁昌したものと見えます。
石器時代遺跡ゐせきよりはまた鹿しかつのにて作りたる噐具きぐも出づ。魚骨器のせきに畫きたるは其一例そのいちれいにして、發見地はつけんちは相模三浦郡久比利くびり貝塚なり。やう大魚たいぎよるに在りしことなんうたがひか有らん
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
天孫降下の間先駆者還ってもうさく、一神あり天の八衢やちまたにおり、その鼻長さ七せき、背長さ七尺余(まさに七ひろと言うべし)、かつ口尻明耀めいよう、眼八咫やたの鏡のごとくにして赩然、赤酸醤に似たりとありて
月の始めに感冒にわずらわされて浦安の石井と云う医院へ入院した。今は全快している、せきが少し出る。今夜は早く寝る。是からは早く寝て早く起きるだろう。
ジョジアス・カーク——国籍せき合衆国アメリカだが有名なコンゴ荒し——禁獣を狩っては各地へ売る、白領コンゴのお尋ねものの一人だ。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
町役人どもは声をからしてしかり制しながら、わづかに娘の左右さゆうだけを鉄棒で堰切せきつてゐたが、その鉄棒のせきもうづ巻いて寄せる人波に破られて、心ない見物人は娘の肩に触れ
梟娘の話 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
桜の花と呼ばれた娘義太夫の竹本綾之助たけもとあやのすけや、藤の花の越子こしこや、桃の花の小土佐こどさが乗っている人力車の、車輪や泥除どろよけに取りついたり、後押あとおしをしたりして、懸持かけもちの席亭せきから席亭へと、御神輿おみこしのように
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
邪をふせぎ、淫をせきし、を棄て、真を求むるは、教の大本なり。
教門論疑問 (新字新仮名) / 柏原孝章(著)
滝つせきのようにくだけ落ちて行った。
愛欲生活に充たされていた元始の人間はおのずからに催情的の芳香を、呼吸の中に持っていたと、せき学エロイスが説いている。その芳香を夜の間だけ、満知姫も持っていたのであろう。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そろそろデザートを運ぼうとしている頃になって、二人連れの支那人が静かに入って来て、私の隣りの空席せきへ坐った。よほど身分のある人だろうということは、その服装からでも一と目で知れる。
妖影 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
礼がおわると席についた。そこには饗宴のせきが設けてあった。殿上の扁額へんがくを見ると桂府けいふとしてあった。竇は恐縮してしまって何もいうことができなかった。王はいった。
蓮花公主 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
しかし『尹文子いんぶんし』に周人鼠のいまだせき(乾肉)とされないものをはくというとあるそうだから考えると、『徒然草』に名高い鰹同前、最初食用され、中頃排斥され、その後また食わるるに及んだものか。
彼らが設けのせきに坐るとすぐ、二人の番卒につれられて弥之助が出て来た。初めにみつけたのはげん女で、いきなり「弥之助」と叫びながらはね起きた。
蜆谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
小袖幕で囲い設けた立派な観桜席せきが出来ていて、赤毛氈に重詰の数々、華やかなしとね、蒔絵の曲禄、酒を燗する場所もあり、女中若侍美々しく装い、お待ち受けして居た所から
善悪両面鼠小僧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
力の無い謦欬せきの声が奥の方で聞えた。急にお志保は耳を澄して心配さうに聞いて居たが、やがて一寸会釈ゑしやくして奥の方へ行つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
第五十五条 国務大臣ハ天皇ヲ輔弼ほひつせきにん
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
まち小學校せうがつかう校長かうちやうをしてゐた彼女かのぢよをつとは、一年間ねんかんはいんで、そして二人ふたり子供こどもわかつま手許てもとのこしたまゝんでいつた。のこつたものは彼女かのぢよおも責任せきと、ごくわづかなたくはへとだけであつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
たゞちにそを棄て去りしといふ、そのせきを逸するのけんあるものから、かくはことわりおくのみ。
都喜姫 (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
まめのため踏みつけるたびに痛い足せきにひやひやして小石路を歩いたり、一つの地区から次の地区へ移るのに意外に暇どって、身体も疲れるが気力も疲れた。
長崎の鐘 (新字新仮名) / 永井隆(著)
上へ返して押たる者と相見え爪印がさかさに成て居るはコリヤ如何の譯なりやと云ければ九助はハツトばかりにて一言の返答へんたふもなく只落涙らくるゐしづ俯向うつむいて居たるにぞ理左衞門は迫込せきこんでコリヤ何ぢや御重役方よりの御不しんなるぞおのれ何心なく押たのかたゞしゆび痛所いたみしよにても有てぎやくに押たるやコリヤ何ぢや/\とせき立れど九助は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)