“塞”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ふさ79.7%
ふさが6.1%
つま4.2%
2.3%
つか1.0%
とざ0.9%
ふた0.9%
0.7%
さい0.6%
せき0.4%
(他:22)3.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
“塞”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語14.9%
文学 > 日本文学 > 詩歌1.7%
文学 > 日本文学 > 評論 エッセイ 随筆1.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
利己的なる近代人が人生の過悪に目をふさぎ、その煩雑を厭い、美しき女を連れて湖畔の水楼に住まんとするのは隠遁ではない。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
この時までに五六人の同僚が次第に出て来て、いつか机が皆ふさがっていた。八時のたくが鳴って暫くすると、課長が出た。
あそび (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「よし、我は兄に代って彼らを赦すであろう。」と反絵はいって遣戸の方へ出ようとすると、反耶は彼の前へふさがった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
そこに立ってただ一人ながめていた婆さんがあった、その顔を見ると、ふさがったようになった細い目で、おや! といった。
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
深井は眉深に被つたソフトの下から、素早くそれと認めたが、向うでそれと気附いて呉れるまで、息をつまらせて待ち構へた。
(新字旧仮名) / 久米正雄(著)
母親は時々こくりこくりと居睡いねむりをしながら、鼻をつまらせて、下卑げびたその文句にれていた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
浅井君が無意味に小夜子を眺めているうちに、孤堂こどう先生は変な咳を二つ三ついた。小夜子は心元なく父のかたを向く。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
が、平三も磯二も厭だといふので平七もを折つて、網一ぱいの魚を其儘に出口をいて、兎に角帰ることにした。
厄年 (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
何しろ僕はこれを見ると同時に一種の寒気さむけを覚えてこわいともかなしいとも言いようのない思が胸につかえてちょうど
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
津田はつかえた。小林を研究し尽した上でなければしかとした返事は与えられなかった。夫人は再びき直した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
彼は町から以来と云うものは、全く不安にとざされたままで、ただじっと朝刊に、不安な目を向けているだけであった。
連脈のうへに一ときは高い山が上部は密雲のなかにとざしたまま、鼠色な腹を示しはじめた。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
満枝はまゆげて詰寄せたり。貫一は仰ぎてまなこふたぎぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
高行くはひたすら悒鬱さぶしまかがやき横たふ雲の眼をふたぎつつ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
此ために、への威力を持つた神をふなどと言ふことになつたのかも知れぬ。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其時の仰せには、罪人よ。吾子ワコよ。吾子の爲了シヲフせなんだアラび心で、吾子よりももつと、わるい猛び心を持つた者の、大和に來向ふのを、待ち押へ、へ防いで居ろ、と仰せられた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
諏訪様の方では、牛は鈍いからと、夜中にたって大急ぎでやって来られたので、先に越後分のさいの神という所まで来て、そこでやっと越後様の馬と出あわれた。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
たま/\北辺に寇警こうけいありしを機とし、防辺を名となし、燕藩の護衛の兵を調してさいでしめ、其の羽翼うよくを去りて、其の咽喉いんこうやくせんとし
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ゆきはあはになりそ吉隠よなばり猪養ゐがひをかせきなさまくに 〔巻二・二〇三〕 穂積皇子
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
せきなさまくに」はせきをなさんに、せきとなるだろうからという意で、これも諸説がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「むゝ。」と默ツて了ツて、「何しろ氣のまる室だ。これじや畫室の裡に押込められてゐた方が氣がいてゐるかも知れん。」と思ふ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「そうです、そうです。けれどもれが僕のし得るかぎりの秘密なんです。」と言ってしばらく言葉を途切とぎらし、気をめて居たが、
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
ここにその神の髮をりて、その室のたりきごとに結ひ著けて、五百引いほびきいは一二を、その室の戸に取りへて
ここに天の日矛、そのの遁れしことを聞きて、すなはち追ひ渡り來て、難波に到らむとするほどに、その渡の神へて入れざりき。
「温めて永い間生かしてやる。とりでのぼろくずをみんな持って来い、温めてふとらせてやる。貝ノ馬介が死んで生れて来たのだ。」
すてが再びとりでの前に立って、例の手をこまぬいて見やった時に、はるかな山平に袴野ノ麿と貝ノ馬介とが、みやこの先刻の女を間に置いて、なにか問答の渡り合いでもしているふうであった。
此時、懐手してぶらりと裏口から出て來た源助の姿が、小屋の入口から見えたので、お八重は手招ぎしてそれを呼び入れた。源助はニタリ相好を崩して笑ひ乍ら、入口に立ちはだかつたが、
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
此時、懐手してぶらりと裏口から出て来た源助の姿が、小屋の入口から見えたので、お八重は手招ぎしてそれを呼び入れた。源助はニタリ/\相好を崩して笑ひ乍ら、入口に立ちはだかつたが、
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
九八 路の傍に山の神、田の神、さえの神の名を彫りたる石を立つるは常のことなり。また早池峯山・六角牛山の名を刻したる石は、遠野郷にもあれど、それよりも浜にことに多し。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
またその黄泉よみの坂にさはれる石は、道反ちかへしの大神ともいひ、へます黄泉戸よみどの大神ともいふ。
古代人は巌を特に霊あるものとして尊崇し、其呪力に依りて邪神悪霊を払い、生れる児の寿命の永久を磐石の常存になぞらえんとした思想は、泉津よもつ平坂にさやります千引石を道返ちかえしの大神といい
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
肖古せうこ」「速古そこ」といふのは「そこ」で、滿洲語のヂヤハ、日本で「關」といふものと同じ意味で同じ言葉であります。
近畿地方に於ける神社 (旧字旧仮名) / 内藤湖南(著)
葉子も主任の問いに答えて、彼女一流の雰囲気ふんいきの含まれた言葉で、恋愛も恋愛だが、生活や母性愛の悩みもあって、今までの生活は行きまりが来たので、打開の道を求めようとしたのが、何といっても文学が生命なのだし、新しい結婚問題がどうなるにしても、やはり庸三に頼って行くよりほかないのだといった意味を述べていた。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
近代のあわただしい騒音やづまった苦悶を描いた文芸の鑑賞に馴れた眼で見るとまるで夢をみるような心地がするが、さすがにアレだけの人気を買った話上手な熟練と、別してドッシリした重味のある力強さを感ぜしめるは古今独歩である。
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
三「死んだのじゃアねえ今じて来たのだが、アヽこれっ切りに成るかしら、あゝもうとても助かるまい」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
人或ひは鬼の力によりて地にひかれ、或ひはふさぎにさへられて倒れ、やがて身を起せども、おのがたふれし次第をしらねば 一一二—
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
唐楪葉からゆづりはは高く立ちて、折しく一羽の小鳥来鳴きなけり。宮が胸はあやしうつとふたがりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「ヘッ、その大玄関は張物板でぶさがっていますよ——木戸から庭を覗いて下さい、親分が煙草の煙で曲芸をしているはずだから——と、奥方様がおっしゃる」
「そんぢや、わらかやでおツぷてえたんでもあんびや」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
爾に豊玉比売命、その伺見カキマミ給いしことを知らして、心恥ウラハヅカしと思おして、其御子を生み置きて、吾、恒は海つ道を通して、通わんとこそ思いしを、吾形を伺見給いしが、いと愧かしき事と申して、即ちウナ阪をきて返り入りましき。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
アマツサヘ、四面海ノ三方ヲフサガレ、国中ノ兵糧ハ知レタモノナリ。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)