“旗幟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きし70.1%
はたのぼり18.2%
はたじるし5.2%
はた2.6%
きしょく1.3%
しるし1.3%
のぼり1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だが、そうしてようやく内治が調ととのったと思うと、こんどは国外からの圧迫がひしひしと、この一小国にも、旗幟きしの鮮明をうながして来た。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金蔵は、旗幟はたのぼりを立てる大きな石の柱の下にうずくまって、振分ふりわけの荷物を膝の上に取下ろし、お豊の面をさも嬉しそうに見ています。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
袁尚は、間一髪かんいっぱつの危機を辛くものがれて、中山ちゅうざん(河北省保定)方面へ逃げ走った。その時印綬いんじゅ旗幟はたじるしまで捨てて行ったので、曹操の将士からよい物笑いにされた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
例の招牌かんばんから釣込む植木屋は家々の招きの旗幟はた翩翻へんぽん金風あきかぜひるがえし、木戸々々で客を呼ぶ声はかれこれからみ合て乱合みだれあって、入我我入にゅうががにゅうでメッチャラコ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
彼が「上帝と人民」の二字を「少年伊太利イタリー」の標語となし、一統と独立を旗幟きしょくの一方に、自由、平等、人情を他方に記したるを見、また、総ての人類に向って自由、平等、人情の普及せんことを信じ
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
いやまぎれない菊水の旗幟しるしがすぐわかった。で、正季たちは、ふもとの西国街道で駒をおりて待っていた。——近くにある築土ついじは、水無瀬みなせノ宮のあとらしく「伊勢物語」に
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
若い方は別に煙草も喫みたがらず、腰もかけたがらずに、しきりに馬場の景気、桟敷の幔幕、真黒く波を打つ人出、八幡宮の旗幟のぼり、小屋がけの蓆張むしろばりなどを、心持よかりそうにながめていました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)