“飄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひょう43.1%
ひるが15.7%
ひるがへ13.7%
ひるがえ11.8%
ただよ5.9%
かは2.0%
さつ2.0%
たゞよ2.0%
ひゅう2.0%
へう2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜に入るまで、飲み興じ、あくる早暁には、すでにげんの三兄弟は、もとの石碣村せっかそんへ、ひょうとして立ち帰るべく、朝飯をいそいでいた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
永く永くとまって居たが、尾羽で一つ梢をうって唖々ああと鳴きさまに飛び立った。黄いろい蝶の舞う様に銀杏の葉がはら/\とひるがえる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
切髪は乱れ逆竪さかだちて、披払はたはたひるがへ裾袂すそたもとなびかされつつただよはしげに行きつ留りつ、町の南側を辿たどり辿りて、鰐淵が住へる横町にりぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
例の招牌かんばんから釣込む植木屋は家々の招きの旗幟はた翩翻へんぽん金風あきかぜひるがえし、木戸々々で客を呼ぶ声はかれこれからみ合て乱合みだれあって、入我我入にゅうががにゅうでメッチャラコ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
韻ハ水風ニただよヒ、経廻けいかいノ人、家ヲ忘レザルハナシといい、釣翁ちょうおう商客、舳艫じくろ相連ナリテほとンド水ナキガ如シ、蓋シ天下第一ノ楽地ナリともいっている。
蘆刈 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かはし汝此地に來りしときゝ渺々はる/″\尋ねし甲斐かひあつ祝着しうちやくなり無念をはらす時いたれり覺悟かくごせよといひさま替の筒脇差つゝわきざしにて切かゝり互ひにおとらず切結きりむすびしが六郎右衞門がいらつて打込うちこむ脇差にて竿竹さをだけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さげいかりをといふ間もあらばこそ一ぢん颺風はやてさつおとし來るに常のかぜとはことかはうしほ波を吹出てそらたちまち墨を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
麦畑や、地蔵や、眼と口を一緒いっしょにあけた女の顔や、人の声や、まぐろしくけて来てはうしろへ飛ぶ。機関の響は心臓の乱拍子らんぴょうし、車は一の砲弾ほうだんの如くひゅうしゅっうなって飛ぶ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
三週の北遊終つて、秋を兼ぬるの別意涙に故山の樹葉を染め、更にへうとして金風一路南へ都門に入りぬ。古帽故郷に入つて喜びしや否や。
閑天地 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)