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飄
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ひょう
ふりがな文庫
“
飄
(
ひょう
)” の例文
夜に入るまで、飲み興じ、あくる早暁には、すでに
阮
(
げん
)
の三兄弟は、もとの
石碣村
(
せっかそん
)
へ、
飄
(
ひょう
)
として立ち帰るべく、朝飯をいそいでいた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
無欲で物に
拘
(
こだわ
)
らないところも、
飄
(
ひょう
)
ひょうと楽天的なところも、ただ三男の又三郎だけは口が達者で、四人分を独りでひきうけたように
饒舌
(
しゃべ
)
る
ひやめし物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
兎にも角にもおぼえある武士ならん、いかに射るぞと見てあれば、かれは
鏑矢
(
かぶらや
)
を取ってつがえ、よっ引いて
飄
(
ひょう
)
と放つ。
平家蟹
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
船も船頭も遠くから近くへ
飄
(
ひょう
)
として来たが、また近くから遠くへ飄として去った。
唯
(
ただ
)
これ一瞬の事で前後はなかった。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
が、相手は隻腕、何ほどのことやある?……と、タ、タッ、
飄
(
ひょう
)
ッ! 踏みきった森徹馬、敵のふところ深くつけ入った横
薙
(
な
)
ぎが、もろにきまった——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
まこと旗本ならばあのような
戯
(
ざ
)
れ看板せずともよい筈、喧嘩口論白刄くぐりが何のかのと、無頼がましゅう
飄
(
ひょう
)
げた事書いて張ったは、隠密の素姓かくす
手段
(
てだて
)
であったろうがッ。
旗本退屈男:07 第七話 仙台に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
飄
(
ひょう
)
としてまた流れて、翼を
撓
(
たわ
)
めて、あ、大きく張った。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
慎
(
つつ
)
しむにはあまり
飄
(
ひょう
)
きんである。聴衆は迷うた。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「おのれも、賊の組か」前に立った人影の真っ向へ
拳
(
こぶし
)
をかためて一撃をふり下ろすと、相手は、
飄
(
ひょう
)
として、身をかわしながら
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蒋侯の木像は弓矢をたずさえていたが、その弓を絞って
飄
(
ひょう
)
と射ると、男は矢にあたって死んだ。往来の者も、廟を守る者も、皆それを目撃したという。
中国怪奇小説集:04 捜神後記(六朝)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
定番、柴山又左衛門の弟で大四郎と名を告げ、
飄
(
ひょう
)
ひょうとたち去るうしろ姿を感嘆したように見送っていた八郎兵衛は、やがて振返って、「見たか梶」と呼びかけた。
ひやめし物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
やがて、指名をうけると、
飄
(
ひょう
)
として、式場の間の方へすすんでゆく姿など、いかにも免状式の日の、小学生そのものだった。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見たこともない白髪の老人などが、
飄
(
ひょう
)
として、横ぎってゆく。——御先祖様かも知れない。と清麿の、意識ともつかない不思議な意識がふと思う。
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飄
(
ひょう
)
としてここに旅へ吹かれ出た史進の姿は、いかにも宋朝時代の
若人
(
わこうど
)
好みな
粋
(
いき
)
づくりだった。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
道士一同は
飄
(
ひょう
)
として去り、翌日、宋江は軍師呉用や朱武たちと
諮
(
はか
)
って、忠義堂の
扁額
(
へんがく
)
のほかに、こんどの一
奇瑞
(
きずい
)
を記念して「
断金亭
(
だんきんてい
)
」という大きな額をかかげることにした。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、また元の孤児に返って、師のあとを、
飄
(
ひょう
)
とうらぶれ歩いているにはちがいなかろう。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また
飄
(
ひょう
)
として去るといった風なのを——近ごろ、北条高時の生母
覚海
(
かくかい
)
夫人が、やっと捜し求めて鎌倉に
請
(
しょう
)
じ、それでしばらくは、ここに
留
(
とど
)
まっているものの、都からも、
勅諚
(
ちょくじょう
)
再々で
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とばかり、冗談に言いまぎらわし、たそがれの山門から
飄
(
ひょう
)
として飛び出て行った。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
諸葛
瑾
(
きん
)
は、呉の臣に返って、うやうやしく賓客を通し、
飄
(
ひょう
)
として、立ち去った。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
都は知らず東国では源氏の名流、武門の雄と見なされている足利氏の
曹司
(
ぞうし
)
である。ゆらい遠国者の上洛ほど派手をかざって来るものといわれているのに、
飄
(
ひょう
)
として、一人で門を叩くなどはおかしい。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
春海さんも、
飄
(
ひょう
)
と消え、健吉さんは、土地の会津八一氏を、訪問。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飄
(
ひょう
)
として、ひとりの書生が、奥から馳けてきて、門をひらいた。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いうかと思うと
飄
(
ひょう
)
として名も告げず、立ち去ってしまった。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とのみ、
飄
(
ひょう
)
として、すぐ立ち去ってしまったという。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
兼好は、道を北の方へ、
飄
(
ひょう
)
として、立ち去った。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飄
漢検1級
部首:⾵
20画
“飄”を含む語句
飄然
飄々
飄逸
飄乎
飄泊
飄零
飄風
飄忽
飄々乎
飄客
飄亭
飄遊
飄気
飄虫
飄転
飄漾
飄散
飄渺
飄軽
飄逸味
...