“扁額”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へんがく89.5%
がく10.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二つの扁額へんがく、(為山の水絵、不折の油絵)を見つむる事と、これらの中にやうやう苦痛の三、四時間を過ぎて、熱次第にさめかかる。
明治卅三年十月十五日記事 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
凝った普請ふしんだが住み荒らした庵のうち、方来居と書いた藤田東湖ふじたとうこ扁額へんがくの下で、玄鶯院がお盆をかむって新太郎をあやしている。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「御覧なさい、救世主として崇敬うやまはるゝ耶蘇イエスの御生涯を」と篠田は壁上の扁額がくを指しつ「馬槽うまぶねに始まつて、十字架に終り給うたではありませんか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
お三輪は椅子を離れて、木彫きぼり扁額がくの掛けてある下へも行って見た。新七に言わせると、その額も広瀬さんがこの池の茶屋のために自分で書き自分で彫ったものであった。
食堂 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)